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人材育成資料室

人を育てるヒントがここに!人材育成通信

人財育成FAQ

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  • 入社7年になる中堅の部下ですが、同じミスを繰り返しています。都度注意し、本人も気をつけますとはいうものの、しばらくするとミスを再発するということの繰り返しが続いています。何か良い指導方法はないものでしょうか。(Y.Tさま)

    ミスを起こす原因は能力不足や行動によるものだけでなく、心因によるケースもあるようですが、ここでは行動という側面から見ていきましょう。

     

    誰しもミスは犯すものですが、再発を繰り返すとなると、その理由として

    ・なぜミスをしたのかの原因を追究しない

    ・チェックをするのは自分の仕事ではなく、他者の仕事と考えてしまっている

    ・同じミスを犯してしまったという認識がない

    ・自分のやり方が正しいと思い込んでいて、注意されても変えようとしない

    ・ミスを犯すと先に言い訳が出てしまう(その場を適当に済ませようとする)

    などが考えられます。

     

    このような人の行動傾向として、仕事のプロセスをジャンプするということが挙げられます。これはコミュニケーションの場面でも多く見受けられるようです。「〇〇をいつまでにお願いします」という指示に対して「分かりました。頑張ります」「大丈夫、なんとかします」と根拠のない返事をしてしまい、『納期は守っても仕事の質に問題あり』ということになってしまうのです。仕事を正確に進めるためのプロセスが当然ある訳ですが、このプロセスを「まあ大丈夫だろう」とか「過去にやったから問題ない」とジャンプをしてしまうのです。

    ですから、ミスの再発を防ぐには仕事のプロセスをジャンプさせないやり方を身に着けさせる必要があるということになります。

     

    この参考として、石田淳氏が提唱されている『IS行動科学マネジメント』のメソッドを挙げられるでしょう。これは人材育成方法なのですが、下記の5つのステップで示しています。

    ①行動を分解し、行動のレパートリーを与える

    ②行動の核を見つける

    ③チェックリストをつくる

    ④行動することを快につなげる

    ⑤理念をインストールする

    ①と②だけでも興味深いものがあります。

    ①は行動を分解するということです。『できるだけ細かい要素に分解することが重要』と。

    そして②です。『行動を細かく分解したら、行動の核を見つけるということ。行動の核とは、一連の行動の中でも「習熟を要する部分」のこと。行動の流れには必ず核がある。分解した行動を見ていくと、難関となる行動が必ず見つかる。行動の核とは「自然にできないこと」。つまずきやすく反復して練習しないとなかなか身につかないこと』と。

     

    仕事のミスを犯す人、特にプロセスジャンプをする人は、自分がやるべき仕事の行動を細かく分解して書き出すことができないようです。さらに、習熟を要する核となる行動に対しても、自分の習熟度を判断できずにいる(むしろ「できている」と思っている)可能性が非常に高いということが考えられます。まずはご紹介した上記①と②に取り組ませてみるのも効果的だと思います。

  • 当社は親会社の社員向けサービス全般を受託し、提供している会社です。売り上げの拡大を目的として、営業の仕組みと社員教育を見直すようトップから指示を受けました。どこからどのように考えていくのがよいか、アドバイスをお願いします。(U.Tさま)

    サービス会社で売上拡大のための営業の仕組みと社員教育を考える場合、単に営業担当者を対象とした営業強化の教育や営業部だけの仕組みを考えても効果的ではないようです。

    サービス会社の「売り物」はサービスです。売り物である「サービスの質」が悪ければ営業が頑張って売り込んでも「返品=解約や継続契約無し」の状況になります。

    今は御社の事業の各論にまで触れることはできませんが、トップからの指示があるということはその根本のところからの再構築を図るという考え方も必要だと思います。この観点から、まず次の大きく6つの切り口で考えてはいかがでしょうか?

     

    1つ目が「サービス哲学の浸透」です。

    これは、サービス会社として目指すものを明確にすることです。「社会」「顧客」「従業員」に支持される内容にする必要があります。具体的には、社会活動の質や水準を高める、顧客の事業のお役に立つ、従業員が仕事を通じ生活の質や満足感を得られる、といった内容でしょう。

     

    2つ目が「サービスビジョンづくり」です。

    社員が参加して、自分たちのビジョンをつくることです。ビジョンは社員が業務を遂行する時の判断基準になるので、具体的に分かり易く表し、社内外にアピールしていきます。

     

    3つ目が「情報の共有化と活用」です。

    定期的なお客様調査と市場調査による「現実」「現場」「生の声」の情報収集と分析・活用プラス毎回の訪問時の情報収集と分析・活用です。

     

    4つ目が「サービス戦略策定」です。

    ビジョン達成の実行戦略を策定し共有化します。具体的には、部門レベルまで戦略を落とし込みますが、「どこの誰に」「何を提供するか」「どのように関係を構築するか」の観点で落とし込みます。

     

    5つ目が「仕事のプロセス改善とマネジメント」です。

    サービス品質を高める仕事の考え方・進め方を実践定着させます。顧客との接点だけの業務ではなく、電話応対から社内業務の処理まで職務横断的に考え実施します。これらも直接業績に結びつく要素です。

     

    6つ目が「人財育成と学習環境づくり」です。

    サービスビジョン達成に必要な「意識」「知識」「技術」に集中した教育を企画実施します。

     

    以上の6つが相互に関連し、成果に結びついてきます。

    これを参考に、現状御社で取り組んでいること、さらに強化すべきこと、新たに取り組むことを整理してみてください。変化・変革に取り組む場合には、根本的なところに再着目してそこからスタートを切ることは大切だと思います。

  • システム開発部門のマネジャーです。仕事の拡大に伴って中途採用のSEが増えています。知識とスキルを持った人が多くいて頼もしいのですが、指示や相談時に遠慮が出て、コミュニケーションが今一つうまくいっていません。(J.Iさま)

    知識やスキルがあるから「あれこれ細かく言うのは失礼かな」とか「当然わかっていると思うで、質問してはいけないかな…」などなど、相手に対してどうしても遠慮してしまう。そして開発が順調に進んでいれば尚のこと、「とりあえずは良いか!で済ませてしまっている」現象は意外に多くあります。こうした関係では、目先の作業はこなせることができても、お互いに良い仕事をするという観点に立てば、もっとコミュニケーションを深めていかなければならないでしょう。

     

    コミュニケーションは大きく分けて仕事指向のコミュニケーションと人間関係指向のコミュニケーションがありますが、これらは表裏一体でどちらも大切にしなければなりません。お問合せの状態が進むと、最低限の仕事のコミュニケーションしかとらなくなり、希薄な関係を生んでしまいます。それが仕事に対するモチベーションを下げ、ある時…となりかねません。

     

    今回のような場合、先ずは仕事のコミュニケーションの質の向上を考えてみてください。今現在携わっている開発だけのコミュニケ―ションに終始するのでは不足と言わざるを得ません。一緒に良い仕事をしていくためには、何を伝えて、相手との共通理解をつくるのかに取り組まなければなりません。例えば、

    ・その仕事をする必要がどこにあるのか

    ・その仕事をすることにどんな意味があるのか

    ・なぜ自分(たち)がその仕事をするのか

    ・なぜ期日までに仕上げる必要があるのか

    ・なぜその数字を達成する必要があるのか

    ・その仕事は、全体業績にどれくらい貢献するのか

    ・その仕事は、全体の中でどんな位置づけにあるのか

    ・その仕事は、将来何につながるのか

    ・その仕事は、自分にどんなメリットがあるのか

    などを折に触れて伝え、相手の関心を引き付け、高めていかなければなりません。これなくして今後も一緒になって良い仕事をしていくことはできないのです。このことはマネジャーとしての重要な役割でもあり、このコミュニケーションにおいては遠慮などが入る余地はありません。

     

    このコミュニケーションが深まってくれば、人間関係のコミュニケーションももっと深まりを見せるはずです。多くのシステム系マネジャーからお伺いする本音「当たり障りのない表面的な人間関係ということに気づいてはいるが中々入り込めることができないし、入り込む術が分からない」を打破し、もっと深めることができるはずです。

    大切なのは、これらは上位であるマネジャーから働きかけていく必要があるいうことです。遠慮しないで積極的な行動を起こしましょう。

  • 私は自治体の外郭団体に勤めており、自治体で行うイベントの補佐と販促物の企画や手配などを行っています。最近理事が変わり、職員の教育を考えるようにと指示を受けました。そこでご相談ですが、企業向けの一般的な社員教育の内容で職員の教育を実施して効果が出るのでしょうか?(H.Wさま)

    社員教育のご相談を受ける時、よく「我々の業界は特殊だけど・・・」や「我々の業界で実績のある講師はいますか?」と聞かれます。自社に適した教育会社や講師を選びたい!という想いからのご発言だと理解しております。

     

    自社に適した教育ということですが、企業教育の目的を簡単に表すと「組織の目標達成のため、望ましい行動がとれる人を育成する」ということが出来ると考えます。社員教育では、そのために必要な「知識」「スキル」「意識や考え方」「やり方」などの習得やレベルアップ目指して教育することになります。

    H.Wさんが所属する団体でもこの基本は変わらないはずです。身近なこととして、職員の方が行う仕事を「業務プロセス」の観点で考えればわかりやすいでしょう。

    例えば「オーダー処理の業務プロセス」や「企画立案の業務プロセス」など、組織における成果は複数の「業務プロセス」によって生み出されています。それぞれの業務プロセスは個人や組織を跨いで実行されます。これらの業務遂行に必要な知識やスキル、意識や考え方、やり方などに、一般企業との大きな違いはありません。

    ですから、H.Wさんの所属する団体の職員の方が業務を遂行する上で必要とされる育成テーマを明確にすることをまず明確にする必要があるでしょう。

     

    そして、次の検討課題が研修の運営者である講師についてですが、選んだテーマで実績のある講師がいればそれに越したことはありませんが、だからと言って経験重視だけのモノサシで決めることはあまりお勧めしません。たとえ経験がなくても、H.Wさんの考え方や想いを真摯に受け止め、不足分は一緒に学びながら、貴団体専属のように真剣に対応していただける講師を選ぶことも大切な視点ではないかと思います。

  • 新入社員のフォロー研修の企画をしなければならないのですが、従来の進め方(これまでの振り返り→マインドリセット→2年目目標の明確化)だとどうしても甘さから脱却できない新人が半数以上残ります。もっと仕事に対する厳しさを自覚させたいのですが。(Y.Kさま)

    新人の早期戦力化は何時にも増して重要度が高まってきているように感じます。ビジネス活動の活発化に伴って、現場で早く一人前の戦力として貢献して欲しいという配属先の要求は高まるばかりのようです。それを受けての新入社員フォロー研修となれば、仕事に対する厳しさをもっと自覚させ、自分の成長にチャレンジさせて仕事への貢献力を発揮させたいという考え方が強まるのも当然でしょう。

     

    とはいえ、フォロー研修の今の「振り返り→マインドリセット→2年目目標の明確化」というストーリーは基本として捉えておいて良いのではないかと思います。好みの問題で、奇をてらった内容や精神的に鍛え直す方法などを求められるケースもありますが、仕事の厳しさを自覚させるのならば仕事そのものと正面から向き合う場面をつくることは避けて通れないのではないかと思います。

    要は、仕事について考える際の「具体性」と「掘り下げ」がポイントの一つになるように思います。

    ここで指摘させていただきました「具体性」と「掘り下げ」のヒントとして、以下のことを検証してみてください。

     

    1.仕事と作業を勘違いしていないか

    指示された作業がしっかりとできるようになっていたとしても、それは仕事ができることとは違う。作業の完結が仕事の完結ではない。

    2.ホウレンソウに独断が出てきてはいないか

    ホウレンソウの価値基準を自己判断で決めつけてしまって、上司や先輩から声をかけられてのホウレンソウが多くなってしまっている現象は、すでにビジネス人としての基本からずれてしまっている。

    3.納期と品質の両方が遵守できているか

    受け身型のホウレンソウは納期意識の甘さを生み、仕事の品質に対する鈍さを生んでしまう。仕事の基本が出来ていないことと同じ。

    4.約束事が本当に守れているか

    時間を守る、納期を守ると同じだが、もっと身近な日々のこと、例えば業務日報をきちんと書く、書類提出をキチンとするなど。先輩のルーズさに合わせて自分も無意識にルーズさの罠に落ちてしまっていないか。

    5.「まだ教えてもらっていません」という発言を当然のように発していないか

    これも受け身現象の一つ。怖いのは、この発言は「私は自分の力で考えることができません」と言っていること同じだということを知らないということ。

    6.相変わらずメモを取らないことで指摘を受けていないか

    メモを取らないのはよほど優秀で記憶力がしっかりしているか、ぼんやりしているかのどちらか。多くは後者かな!分からなかったらその時に聞けばいいという甘い姿勢の表れでもある。独り立ちとは程遠い。

     

    などなど、仕事の日常行動とそれへの考え方を、事実に即して振り返らせる場づくりができていなければなりません。ここまで掘り下げないと真の気づきには至らないように思います。例として6つ挙げましたが、もちろんすべてやる必要はないでしょう。仕事の事実に即して、どこか一点から掘り下げていくやり方でもいいと思います。

     

    事実・現実に基づいた気づきが本当に自分を変えるきっかけになると思います。

    今回ご案内したこの一点ですべての改善が図れるわけではありませんが、仕事への自覚を高めるというテーマとの関連で、一度掘り下げてみていただきたいと思います。

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