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人材開発とは?その意義と要素について考える

我々のような人材開発に携わる企業にとっても、企業において人材開発に携わる部署にとっても「人材開発」という言葉は当たり前のように使っています。
いわゆる専門機関や専門職に限らず、経営者やリーダーにとっても「人材開発」は身近なものになっているといってもいいでしょう。
しかし、

・企業にとって人材開発にはどういう意義があるのか?
・人材開発のやり方にはどんな要素があるのか?

といった基本に立ち返って考えてみると、普段は意識していないことが見えてくるかもしれません。
このコラムの第一回は「人材開発の意義」と「人材開発の要素」について考えてみたいと思います。

 

企業が持つ6つの経営資源

一般的に企業は、資源を有効活用して顧客に商品・技術・サービスなどを提供して、その対価として売上、利益を上げ続けて存続していかなければなりません。
また、これらの活動は社会貢献につながるものでなければなりません。
企業活動をする上で企業が持ちうる資源は、大きく6つあると言われています。それは「人」「モノ」「金」「情報」「時間」「知的財産」の6つです。従来は「人」「モノ」「金」「情報」の4つを指すことが多かったようですが、今では6つの経営資源として認識しておいた方がいいようです。
企業が今後も継続・発展していくためには、現有する資源を維持するだけでなく、その価値を上げることも必要になってきます。
そのために行われるのが資源に対する投資です。

 

人という資源の特徴
資源の中でも最も重要で特徴的なのが「人」である、とされています。
他の資源はすべて基本的に「人」が使うものだから、というのが主たる理由になります。
また、「モノ」や「情報」は新しい方が高い価値を持つことが多いのですが、「人」に関しては時間を経ることで経験を通じて成長し、経営にとって更に有効な資源になる可能性を秘めているのも特徴的と言えるでしょう。
Human resources(直訳すると人的資源)の訳語として「人材」という言葉を当てるのが一般的なようです。

 

人材開発は企業にとって欠かせない取り組みである
このように整理してみると、企業にとって人材開発は企業価値を高める上で非常に重要な取り組みであることがご理解いただけると思います。
人材開発の意義は「経営にとって最重要資源である人材への投資活動」であり、だからこそ重要なのだ、と説明できます。
「業績が良いから人材開発への投資ができる」のか、「人材開発への投資ができるから業績が良い」のかは、きちんと検証をするのが難しい問題ではありますが、基本的に「人材開発を行う企業は業績が良い」ことと、逆に「人材開発を疎かにしている企業は業績が良くない」というのは、それほど間違った認識ではなさそうです。
実際、多くの研究で「人材開発に力を入れている企業は業績が良い」という結果が出ています。
それでは、人材開発はどんなやり方があるのでしょうか?

 

人材開発の3つの要素

企業が行う人材開発は大きく3つの柱(要素)があると言われています。
それは「OJT(On the Job Training)」「Off-JT(Off the Job Training)」「SD(Self-Development=自己啓発)」の3つです。

①OJT(On the Job Training)
OJTは仕事を実際に行うことを通して行うトレーニングのことです。
仕事に必要な能力は実際にやってみて身につけるのが一番ですから、間違いなく一番重要な人材開発の要素と言えます。

②Off-JT(Off the Job Training)
Off-JTは仕事を離れてトレーニングを行うことです。
研修やワークショップといったものがこのカテゴリーに分類されます。
受講生が仕事の現場から離れなければならないのでコストや手間がかかることがデメリットです。
OJTだけだと仕事のやり方や考え方が固まってしまってマンネリに陥ったり、何らかの問題に直面した時に対応できなくなったりすることも少なくありません。
そのため、Off-JTはOJTを補足・補強する形で導入されることが多いです。
目的としては知識習得、理解・認識共有化、視野の拡大、体験値やノウハウの共有化などがあります。
(参照:人材育成キーワード【サイロ・エフェクト】)

③SD(Self-Development=自己啓発)
SDで取り組むテーマや取り組み方法は様々ですが、一般的には通信教育やeラーニング、動画視聴などが位置づけられます。
時間の都合や気軽さなどのメリットがある一方で、習得レベルについては受講生の取り組み姿勢に委ねられてしまうのが弱点と言えます。
マイクロラーニング等の新しい考え方が出てきて成長著しいのもこの分野と言えます。

それぞれにメリットデメリットがあるので、一般的には上記3つの手法をうまく組み合わせて人材開発体系や教育計画を作り上げている企業がほとんどです。
なお、人材開発の類義語には「社員教育」「人材育成」「人材教育」等の言葉がありますが、少しニュアンスが違うくらいで何か明確な定義づけが行われているわけではありません。

未来マネジメントは、人材開発で抱える問題の解決策を探していたり、セカンドオピニオンを求めたりしている企業様にとって身近なパートナーでありたいと思っております。
人材開発施策、特にOJTとOff-JTの企画や研修体系の立案を得意としておりますので、お気軽にご相談ください。

 

このコラムを書いた人:

株式会社未来マネジメント 取締役 営業部長 日吉良介

研修会社、人材開発業界で15年以上にわたり営業、講師、コンテンツ開発に従事している、あまり他に歩く人のいないキャリアの道を歩んでいる。
研修企画者として「日本にはまだ数少ないプロのインストラクショナル・デザイナー」と呼ばれることを夢見て日々研修の企画に取り組んでいる。
自身の講師としての得意テーマは「営業研修」で、これまでに3,000人以上の営業職が研修を受講している。
趣味は読書、プラモデル制作、フットサル。

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