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10.ルート営業の強化のために⑤

5.情報の収集力を高めるために

(1)客観情報の収集技術

①収集目的の明確な設定
情報収集は「何のために使うのか」ということを明確にして取り組まなければなりません。
例えば、「顧客の商品力の客観的評価をつかみ、強みと弱みを分析し、今後の商品力強化への課題を明確につかむ。そのために必要なデータを収集する」といったように。

②問題仮説をつくる
目的を踏まえて、現在の保有情報から顧客の問題を想定して仮説を立てます。
例えば、「顧客の業界のチャネル構造が大きく変化しているにも拘わらず、顧客のチャネル認識と施策は古いままで、販売力が鈍化しているのではないか。このことは、自社の顧客別販売実績の分析からも推察できる」といったように。

③確認すべき事項とそのために必要な情報を明確にする
上記のような仮説を踏まえて、その真偽を確認するためにはどのようなことをどのように調べる必要があるのかを考え、そのためにどのような情報が必要であるのかを明確にします。
例えば、「まず対象としているチャネルの変化がどの程度進んでいるのか、今後どう変化していくのか、変化適応企業とそうでない企業の業績格差はどのくらいなのか」などを調べます。

 

(2)観察による情報の収集技術

①特定の目的をもって観察情報の収集を行う
この情報を収集するためには、前提としての仮説を持つ必要があります。
例えば、「取引先販売店の顧客数が最近減少しているように感じる」。そこで、この問題の背景を観察します。
・近くの道路事情の変化、競合店の出店場所の変化などから人の流れが変わってきているのではないか。
・店づくりや品ぞろえ構成に魅力がなくなり、リピート客が減ってきているのではないか。 
こうした仮説を立て、それを確認するために商圏内や販売店内の顧客の動向を観察して、問題の仮説を絞り込んでいきます。

②定常的に観察情報を収集する
顧客への日常の訪問活動の中で、観察情報を収集するということです。
何の問題意識も持たずに漫然と訪問していたのでは、有効な情報は得られません。この取り組みにおいて重要なことは、「問題の兆候情報をキャッチする」ことです。ものごとが変化する時には必ず、事前に兆候が現れるものです。こうした情報を的確につかむことで問題解決のスピードアップや競合先との優位性、さらには提案活動の成功の可能性が高まります。

 

(3)ヒアリングによる情報の収集技術

ヒアリング技術とは、得意先の対象者に面談し、相手の状況や意思を聴きだしたり、相手の問題・課題の確認と見極めを行ったりする技術のことです。

①目的を明確に設定する
ヒアリングによって何を把握しようとするのかの目的を明確にします。

②相手と場面を考える
ヒアリングの目的を果たせる面談相手を求め、それに合ったヒアリング場面をつくります。

③ヒアリングストーリーと質問体系をつくる
やはり準備が大切です。事前にヒアリングストーリーとその中で行う質問体系をつくります。
ヒアリングストーリーづくりや質問体系づくりには、やはり仮説思考が必要となります。

④ヒアリングをする
ヒアリングは相手があることだけに、思うように進まないことが実は多いものです。相手との話の進め方を上手くコントロールし、準備したストーリーに沿ったヒアリングを行うように工夫しなければなりません。

 

(4)ゼロ次情報の収集技術 

営業活動を通じて得ることができる有用情報の最たるものがゼロ次情報です。
顧客のキーマンや関係者との関係を深め、キーマンや関係者の考え方や将来への想い、活動状況などから一歩先んじた情報を得ることができれば、提案活動において競合先よりも優位に立つことができます。

 

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