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2.営業は「販売すること」だけではない

第1回目で営業力を測る物差しとして、「業績を上げるための方程式」を示しましたが、そもそも「営業」とは何なのでしょうか。実は明確に定義づけが成されていないままに様々な「営業論」が闘わされているのも事実なのです。

 

《営業の定義》
営業とは「マーケティングとセールスの二つの機能を果たすこと」と定義しています。

 《営業の目的》
営業の目的は「私たちの事業の支持者をつくること」と定義しています。

 

1)まず支持者づくりから見ていきましょう

私たちは事業活動を通じて、顧客に商品・技術・サービスを提供していますが、顧客の期待には幅があり、この期待ゾーンにフィットした商品・技術・サービスを提供できれば顧客の支持を得ることができます。しかし、顧客期待の上限下限に限らず期待ゾーンを外れれば支持を得ることができません。⇔〔セールス機能につながる〕
従って、顧客の期待度を常に把握し、半歩リードする商品・技術・サービスによって顧客の期待を保ち続けていかなければ、事業の継続はあり得ない、ということになります。⇔〔マーケティング機能につながる〕
加えて、近年は顧客の支持を得る条件が複雑化、高度化してきています。その代表格がコンプライアンスの順守でしょう。コンプライアンス違反したことで顧客の信頼を失う事象は今も頻発しています。このテーマは営業という領域を超えてしまいますので、今回は割愛します。

 

2)マーケティングとセールスの機能を見ていきましょう

マーケティングとセールスの違いは以下のようになります。

この表を要約すると、
セールスとは、「営業部門が、営業パーソンの活動を中心にして、主に既存の商品・技術・サービスを、主に既存顧客に対して提案活動を行い、期毎の目標を達成すること」ということができます。
この代表がルートセールといわれるものです。

 

これに比してマーケティングを営業部門のセールスと一体させてみると、

①目標の持続的達成のために既存商品・技術・サービスの提供だけに頼るのではなく、顧客が求める新しい価値情報をつかみ、組織としての新しい価値創造に貢献する。

②既存市場に対する既存商品・技術・サービスの提案に終始するのではなく、既存市場に対して新しい商品・技術・サービスを、また、新しい市場に対して既存または新しい商品・技術・サービスを提案していくための活動を展開する。そしてこれらの活動をより効果的に進めるために、市場や顧客を分析し、より良い方法を生み出す。

ということができます。
近年の営業活動においては、このマーケティング視点に基づく活動の活発化が強く要求されています。

 

実は過去の事業が拡大していた時代においては、後者のマーケティング機能を営業部門に強く求めるということは余りありませんでした。営業部門とは別にマーケティング部門を持ち、そこから発信される戦略や施策に基づいて営業部門が動くという構図が多かったのです。頭(頭脳)は戦略部門が担う、営業パーソンはひたすら動いて売ってこいという図式なのです。
その名残がまだ多くの企業にあり、営業=セールスをいう認識が強く、現場で動く営業パーソンにマーケティングの知識や戦略スキルが身についていないのです。

 

現在の厳しいビジネス環境の中で営業パーソンとしての高い業績をつくり出すためには、セールス機能だけでなくマーケティング機能も身につけることが絶対に必要なのです。

 

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