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Ⅶ クレーム解決の成功のポイント・失敗のポイント

◆事例10 専門家のお客様の要望に応えて

ハウスメーカー工事部の篠原課長と工事監督の青山さんは、今回新築していただいたお客様の児玉様への対応で悩んでいました。児玉様の仕事は建設業の現場管理者です。

基礎工事中に何回か現場を見られたらしく、その時の施工状況や現場管理が不十分だというクレームが青山さんの携帯にかかってきました。同時に、上司と話がしたいとも言われました。その時の青山さんの対応は曖昧な返事しかできず、児玉様から会社としてどう対応していくのかをはっきり示せという要求が出されたのです。
青山さんから報告を受けた篠原課長は、直接児玉様に電話してお詫びし、翌日現場でお会いする約束をしました。篠原課長は急遽会社に戻り、児玉様に説明する資料を準備しました。

当日、篠原課長は2時間前には現場に到着し、自分の目で検証しました。そうして児玉様と会い、今までの対応と現場管理の不十分さについてまずお詫びしました。

児玉様からは、担当の青山さんが全ての責任とは思っていないが、会社としてどのような指導をされていてどのような現場管理をさせているのか、業者の管理は誰がどのようにしているのかなどの管理方法や管理項目を説明して欲しいと言われました。

篠原課長は児玉様の質問に丁寧に答えました。児玉様は現場管理においてはプロで、細かな管理項目や評価方法にまで質問が及ぶことが多々あり、また、私たち(児玉様)がやっていることから比べると質が劣るといった指摘を受けることもありましたが、それでも児玉様の理解を得るように細かく説明をしました。
そうして、再度責任を持って今後の対応を進めていくということをお伝えすることで、児玉様の納得を得ることができました。

その後、どこでどう対応していくかで悩みましたが、篠原課長は青山さんと一緒になって現場の管理をしていくことで青山さんに指示しました。児玉様への定期的な報告、ポイントは篠原課長も立ち会って指示、アドバイスを細かく出していきました。途中で、児玉様からなぜそうしているのか、判断の基準は何かといった専門的な質問を投げられ、即答できずにヒヤリとする場面もありましたが、ごまかさず丁寧に取り組んでいきました。

その結果、特に問題も発生せず、無事に引き渡すことができました。最後には児玉様から「期待以上の仕事をしていただき安心してお願いすることができました」とお礼の言葉をいただくことができたのでした。

 

失敗の要因、成功のポイント

児玉様からの最初のクレームの時に、青山さんが自信を持って説明し、「現場管理については私に任せていただきたい」と、安心感を与えることができていればクレームにはならなかったといえます。

青山さんの失敗をカバーすべく篠原課長が登場してきましたが、初期対応は十分な結果を得ることができたと言ってもいいでしょう。むしろ大変なのはその後でした。児玉様も専門家です。その専門家の目から見た要求や価値判断に応えていくことが求められたのです。青山さんとの連携をしっかりとりながら工程ごとのチェックや適切な指示を怠らなかったことで最終的に児玉様の信頼を勝ち取ることができたといえるでしょう。

 

まとめ:前向きな対応が宝の山につながる

クレームは誰にとっても嬉しいものではありません。しかし、クレームが発生してもそれを前向きに、迅速丁寧に解決することによって、会社にとっても自分にとっても大きな財産になります。ですから、クレーム情報がきたら頭から“いやなもの”と思わず、貴重な情報源ととらえて前向きに対応していくことが大切です。

前向きとは「そのクレームのこれを改善すればお客様は理解・納得してくれるだろう」「これを改善すればお客様の理解を得やすいだろう」などといった積極的な対応につなげていくということです。
「クレームは面倒で厄介だ」では、クレームは何時まで経っても「ゴミの山」です。

 

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