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Ⅶ クレーム解決の成功のポイント・失敗のポイント

◆事例7 無断駐車、タバコ臭さを指摘されて

OA機器メーカーのサービス代行店としてサービス・メンテナンス業務に携わっている大橋さんは、経験30年のベテランです。
定期点検で建設会社に訪問した際に、正面道路周辺の一部が工事中で、車を歩道に駐車して点検作業を終えました。大橋さんが建設会社を辞した直後、建設会社の総務部長から「車を歩道に停めるとはいったい何事だ。非常識極まりない。おかげで企業イメージが傷ついた。それなりの補償を持ってこい!」と、サービスセンターに電話が入りました。

連絡を受けたサービスセンターの加藤課長は、すぐに大橋さんに連絡を取り事実確認しました。その結果、大橋さんは、「建設会社の近くに駐車スペースがなかった。約束の時間が近づいていたので、思わず歩道に駐車してしまった。そのことがお客様に多大なご迷惑をかけるとは認識していなかった」ということがわかりました。

その日の夕方、加藤課長はお詫びのために建設会社の総務部長を訪問しました。丁寧にお詫びし、今後サービス代行店の教育を徹底していくことをお伝えした結果、補償については特に要求しないということで収めていただくことができました。が、次に総務部長から要求されたのは「あのサービスマンの衣服も口臭もタバコ臭くて、たまったもんじゃない! あのサービスマンは二度と来させないでくれ!」というものでした。
後日、大橋さんに確認すると「移動前の休憩時に喫煙し、そのままお客様のところに訪問してしまった」ということでした。

 

失敗要因

加藤課長の対応は迅速(事実確認とお客様への訪問)で、そのことがお客様の怒りを和らげたということができます。が、改めて浮上したのは「マナーの徹底」という課題でした。

大橋さんの場合は、サービス代行経験30年というベテランではありますが、30年という時間の中で生じた「社会やお客様が考える(要求する)価値観の変化」に疎かったことが原因として考えられます。決めつけてはいけませんが、キャリアの長いサービスマンの実情を調査し、マナーを含めた対応の基本を再教育する必要がありそうです。

加藤課長が今回の事例をきっかけに調査した結果、「喫煙後そのままでお客様を訪問している」「自分判断で路上駐車している」「お客様の敷地内に駐車しても確認の声をかけていない」「服装がだらしない」「電話の仕方が乱暴」など多くの問題が発見されたのでした。

 

まとめ:お客様目線でのマナーの徹底を

まず「駐車」についてですが、来客用の駐車スペースがない場合は注意が必要です。代表的なNGケースは、お客様の敷地内に勝手に駐車してしまう、正面道路に駐車してしまうなどです。現在は路上駐車の取り締まりも厳しくなっており、違反切符を切られることのないようにしなければなりません。駐車場などの状態が十分把握できていない場合は、訪問のアポを取る際に駐車場の確認をするくらいの働きかけが必要になります。
お客様の駐車場に駐車する場合は、できるだけ入り口より遠くに停め、入り口近くは他のお客様のために空けておくという配慮もまた必要なことでしょう。

別のケースですが、お客様(塾)のところに着いた際に1台分の駐車スペースが空いていたのでそこに停めたら、そこは子どもたちの避難通路を確保するためのスペースであったことを後で指摘され、そうした配慮のなさを理由に出入り禁止となったケース、ビルの2階のお客様への訪問時、ビルのエントランスに駐車していたら、ビルの管理会社からお叱りを受け、責任者が訪問してお詫びしなければならなかったケースなど、駐車トラブルは結構発生しているのです。

次に「喫煙」については、訪問前に消臭スプレーや口内洗浄液などを使って、事前に臭いを減らす取り組みをすることが必要になります。また喫煙のタイミングとして、お客様訪問前には喫煙しないように配慮することも大切です。

 

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