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Ⅶ クレーム解決の成功のポイント・失敗のポイント

◆事例2 発注ミスの対策を急いだが

ガラス・アルミ建材の販売・施工会社の山田さん(営業)に、メーカー営業の青木さんから連絡が入りました。木曜日の夕方のことでした。

「○○のマンション建築現場の高田監督から、玄関ドアのドアノブの形状が打合わせしたものと違うようだけれど確認してくれないかという連絡が入りましたので、至急確認、対応をお願いします」

山田さんは発注担当でもある現場管理の白川さんに確認依頼しました。その結果、品番を間違えた発注ミスであることがわかりました。
白川さんは、メーカーの青木さんに連絡し、発注ミスであること、正しい商品を再発注したいことなどを伝え、調整を図りました。
商品の納入が1週間後にできることを確認した白川さんは、すぐに職人さんの手配に入りました。そうして翌週末の納品→翌々週の月曜日と火曜日を使ってドアノブの交換という手配が完了したのが土曜日の夕方でした。その結果と段取りを山田さんと共有し、月曜日の朝一番でマンション建築現場を訪問、高田監督にお詫びと交換の段取り説明をする手はずを整えました。

山田さんと白川さんが建築現場を訪問しましたが、高田監督は忙しいという理由ですぐには会ってもらえませんでした。1時間近く待たされたところでようやく高田監督に会うことができましたが、「今頃何しに来たの?」と実に冷たい反応で、「何の連絡も寄こさないということは一体どういうことなんだ!」と怒りを爆発させたのでした。

 

失敗の要因

対策という面においては、白川さんの取った行動は迅速であったということができますが、高田監督への対応という面で問題を悪化させてしまいました。

木曜日にクレームが発生してからその後何の連絡もせず、4日後の月曜日に突然訪問したという状況をつくり出してしまったのです。高田監督が、この間にいらだちと不満を膨らませていったのは当然のことだと言っていいでしょう。

また今回の事例では、誰が高田監督に連絡するのかがはっきりしておらず、お互いに誰かがやってくれているだろうと考え、行動をとらなかったことも原因として考える必要があります。

高田監督に対しては、訪問時、まずは連絡不備で4日間も放置してしまったことを丁寧にお詫びしなければなりません。そうして高田監督の気持ちが鎮まれば、白川さんが準備してきた今後の対策が生きてくるものです。

 

まとめ:クレーム対応と対策は平行して進める

クレーム発生の原因がこちらにあることがわかった場合、それを解決するために対策を急ぐということは大変重要なことです。問題なのはそこに注力するあまり、対応が手薄になってしまう、遅れてしまうということです。

お客様対応で一番重要なことは、タイムリーな状況の報告・連絡です。ここでよく発生するのが、「結論が出ていないから連絡できない」「部材や商品の納入日がはっきりしてからでないと報告できない」といった考え方です。その結果、お客様への報告・連絡が2週間後、1か月後ということも発生しているのです。これではクレームの解決はできません。

 

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