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Ⅱクレームの発生原因を考える

◆ケーススタディ1 お客様に非がなく販売側の責任が明白である場合(前編)

ガス機器設備のA社に給湯器を取り付けたお客様から電話が入りました。

お客様

「一昨日、取り付けた給湯器の側面にキズとへこみがあるけど、オタクは不良品を新品として売っているの? 早くなんとかしてちょうだい!」

A社事務員

「そうですか。たいへんご不快な思いをさせて申し訳ございません。至急、担当者に対応するように申しつけます」

お客様

「おまけにお風呂の追い焚きも作動しないのよ。高いお金かけているのに冗談じゃないわ!」

A社事務員

「それはお困りですね。ご不便をおかけして申し訳ございません。その件も合わせて担当者から連絡させますので、少々お時間をください」

この一件、お客様は事務員の電話応対には格別の不満もなく、担当者からの連絡を待つことにしました。しかし、いくら待ってもその日に担当者からの連絡はありませんでした。お客様は「至急」という事務員の言葉を信用していただけに、怒りのボルテージは上がるばかりです。

 

担当者から連絡が入ったのは翌日の午後で、しかも現調に訪れたのはそれから2日経ってから。さらに給湯器の取り替え工事は2週間後になるとのこと。お客様は担当者を責めるのですが、「忙しくて遅れています。すみません」の一点張りで、とうとう怒り心頭に発しました。

 

小さなクレームが大きなクレームに発展したことは言うまでもありません。

 

1.ここで、この間のお客様側の「心情」を推理してみましょう。

 

  • ①もっと業者選びを慎重にすればよかった
  • ②こんな約束を守らない業者とは思わなかった
  • ③10年ぶりに思い切って取り替えたのにがっかりだ
  • ④バカにされているのではないか
  • ⑤新品に替えてくれないかもしれない
  • ⑥取り付け時にキズの有無、追い炊き運転を確認しないのは三流会社のためか
  • ⑦自分にとっては高額商品なのにキズ物を押しつけるつもりだったのかも
  • ⑧そういえば「なんかあったらこれを読んでください」と、取扱説明書を手渡されただけだった。なんて不親切な業者だ
  • ⑨ああ、いらつく。一体、どういうつもりなのだ
  • ⑩責任者に謝ってもらわないと気が済まない

 

等々、疑心暗鬼も加わり、不満が増幅したのです。

 

2.クレーム対応の遅れは、二次クレームを発生させてしまいます。

 

一次クレームは、製品にキズとへこみがあることと、風呂の追い炊き不能でした。お客様はそれらの不具合について不満ではあるけれど、その後の対応がしっかりしていれば、激怒することはなかったでしょう。

 

しかし対応のまずさが二次クレームを引き起こしました。販売側の対応の遅れという姿勢が問われたのです。

 

今度は、A社側の言い分を聞いてみましょう。この件に対してどのように考え、どのように対応しようとしていたのでしょうか。

(後編に続く)

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