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Ⅶ クレーム解決の成功のポイント・失敗のポイント

◆事例5 商流間の連携が上手くいかなくて

工務店の福岡さんから朝10時に販売店の宮崎さんに連絡が入りました。
「お引き渡しして半年たったお客様の給湯器が壊れたので至急対応して欲しい」という内容で、連絡を受けた宮崎さんはすぐにメーカーに連絡して、お客様対応してもらうように依頼しました。
12時過ぎに福岡さんから再度電話が入りました。「待っているのに、メーカーから何の連絡もない。いったいどうなっているんだ!」とお客様からお怒りの電話が入ったということです。

宮崎さんは、電話口でお詫びし、福岡さんから話をもらった直後にメーカーに連絡して対処してもらうように依頼済みであることを説明しました。
その後、宮崎さんが再度メーカーに電話して分かったことは、修理担当者が別件で動いており、お客様に連絡していなかったということです。再度、すぐにお客様に連絡してもらうことを約束して電話を切りました。

宮崎さんは福岡さんに連絡し、メーカー対応の不備とすぐに対応してもらうことを依頼済みであることを伝えました。加えて、福岡さんの了解をもらってお客様に直接連絡を入れ、お詫びと、メーカーの修理担当から連絡が入ることを伝えました。その後メーカーの修理担当者の迅速な対応もあって、15時には点検と修理を終えることができました。

 

成功のポイント

お客様-工務店-販売店-メーカーという商流でお客様に商品トラブルが発生した場合、トラブルの連絡ルートは工務店から販売店へ、そして販売店からメーカーへとなります。
このルートでよく欠落するのがメーカー→販売店→工務店→お客様へのフィードバックです。初期のクレームが複雑化する要因に報告・連絡の不足があります。多くのお客様はトラブルに対して何時までに、誰が、どのように対応してくれるのかを早く知りたいと思うものです。

今回は商流の各担当者とすぐにつながり、ミスがあったとしても迅速に対応しクレームを解決することができましたが、例えば、担当者が不在で“つながる”ことに時間を要してしまう、そうするとお客様へのフィードバックが遅れてしまいます。そして、そのことに不満を抱いたお客様は感情を悪化させ怒る、という良くない構図をつくり出してしまいます。そうすると、給湯器の不具合ではなく対応のまずさに怒りの焦点が絞られ、なかなか解消することができなくなってしまうのです。

 

まとめ:商流の役割と責任を共有し、連携力で対応する

クレーム発生時の商流の責任を明確にしておく必要があります。その基本は契約関係と法的責任関係です。今回の事例のような施工を伴うケースの場合、不具合発生の原因が施工(工務店責)にあるのか、搬送過程(流通店責)にあるのか、商品(メーカー責)にあるのかを見極めなければなりません。そして、各々の責任の範疇でクレームを解決しなければなりません。この時に求められるのがやはり連携力であり、日常からの良い関係です。組織対組織の良い関係が築けていなければなりません。近年は何でもかんでも商品が悪いという主張でメーカー責任を求める傾向が強くなっています。そして、メーカーが契約関係のないお客様のクレームに対応せざるを得ないというケースも格段に増えています。一部には責任がないにもかかわらず商品や部品を無償で提供する、賠償費用を負担するというケースも発生しているのです。仲良く、しかし各々の役割と責任は明確にしておくことが欠かせないといってもいいでしょう。

 

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