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6.管理職の部下育成②(権限を委譲する)

権限委譲は「エンパワーメント(empowerment)」とも呼ばれます。
「管理職の業務上の権限の一部を、部下に与えること」あるいは「管理職が部下に仕事と行動を任せること」といっていいでしょう。
権限委譲は、適切に行うことで部下の能力開発に大きく貢献し、組織の生産性を向上することにも大いに役立ちます。

以下にその基本的なところを見ていきましょう。

 

1)権限委譲には2種類ある

①恒常的委譲(全般的委譲)
管理職が部下に仕事を引継ぎ、部下が自分の責任として処理します。

②特別委譲
特定の場合にのみ委譲します。その仕事は管理職の責任範囲としてとどまります。

 

2)仕事を任せる際の判断基準

権限の委譲≒仕事を任せると考えた場合、簡単で実用的なヒントとなるのが、アイゼンハワーの法則です(アメリカの元大統領 ドワイト・アイゼンハワーが編み出した方法)。
この法則における、仕事の優先順位の判断基準となるのは二つです。「緊急度」と「重要度」です。

 

 

①重要かつ緊急な仕事:自分で取り組み、すぐに処理をする。(Aランクの仕事)
②重要だが緊急ではない仕事:さしあたって急ぐ必要はないが、計画を立てる。つまり期限を決める。または、管理しつつ人に任せる。(Bランクの仕事)
③緊急だが重要でない仕事:人に任せるか、重要度の低い仕事として片付ける。(Cランクの仕事)
④重要でも緊急でもない仕事:とにかく排除する。(ゴミ箱に捨てる)

アイゼンハワーの法則に基づき、部下に仕事を任せることで、大きなメリットが生まれます。
①管理職は楽になり、重要な仕事(真の管理職としての仕事)のための時間がつくれる。
②部下の知識や経験を豊かにすることにつながる。
③部下の能力開発や率先力、独立心の養成や競争力の向上に役立つ。
④部下の動機づけや仕事に対する満足度にプラスの効果がある。

部下に権限を委譲して仕事を任せていくことで、組織やチームにおける働きかけ(メンバーシップの発揮、フォロワーシップの発揮、リーダーシップの発揮)の強化も図ることができます。

 

3)権限を委譲する際の注意点

アイゼンハワーの法則に基づき権限を委譲する際に注意しなければならないことがあります。
どちらのタイプで権限を委譲するかです。
①A型…委譲しない責任、権限を明確にしてあとは任せる
②B型…委譲する責任、権限を明確にしてあとは任せない
ここははっきりさせておく必要があります。

権限を委譲するといっても、委譲してはいけないことがあります。

【権限委譲できないこと】

①管理職としての本来業務(ex.目標設定、結果の統制)
②結果の影響の大きい重要な仕事
③リスクの大きい仕事
④例外的なケース
⑤説明したり、コントロールする時間のない緊急かつ重大な事項
⑥秘密事項

 

4)権限委譲にかかる留意点

【権限委譲に対する管理職側の抵抗感】

①説明したり、管理したりする時間がない。(忙し過ぎる)
②部下に何を任せてよいか不明確。(仕事、問題点の把握不足)
③自分でやった方が速く片付けられる。(時間の節約が可能)
④自分に任されたものを部下に回したら、上司から反感を買う恐れがある。
⑤面白い仕事だと自身が熱中してしまう。
⑥部下の方がうまくこなすと恐れている。(競争を避けたい)
⑦自分の手から離れたらコントロールが効かなくなるのでは?
⑧部下の力量に確信がもてない。(危険を冒したくない)
⑨以前に自分がやっていた仕事を任せると、自分の権限や威信が失われるのでは?
⑩部下に断られたら、どうしたらいいか?

 

権限を委譲して、部下に仕事を動かし、関係者を動かす能力を身につけてもらうための主軸はOJTになりますが、それだけでは十分とはいえません。
業務遂行のための知識習得や資格取得、関係者を巻き込んで動かす考え方やスキルなどの習得に有効なのがOFF・JTや自己啓発です。
次回は、ここに焦点を当ててみましょう。

 

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