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9.管理職のリーダーシップ①

1.マネジャー役割とリーダー役割を区別する

管理職としての役割遂行場面を考えると大きく2つの側面が浮かび上がってきます。ひとつは目標の達成に向けて日々発生する様々な問題に適切に対処していくという役割です。もうひとつは、組織が新たに向かっていく方向を示し、リスクを取りにいかなければならない役割です。

定義として端的に示すならばマネジャーは「管理する人」、リーダーは「経営する人」と言ってもいいでしょう。こう定義すると、マネジャーとリーダーは全く違う人と考えてしまいがちですが、そうではありません。イメージとしては次のように捉えておくのがいいでしょう。
守備範囲の違いと捉えると分かりやすいと思います。

 

 

 

マネジャーとリーダーの守備範囲の違いをもう少具体的に示すと次のようになります。

 

 

例えば上図の「経営」を見てみましょう。
リーダーとして方向性を示す。「我社の現状はこうだ。そして我が部署の現状はこうだ」という現状認識を部下と共有化して、次に「我々はこれを目指す」「我々はこうなりたい」という目指す姿を熱く語りかけます。そして、その実現に向けては、ビジョンを戦術に落とし込んで、現場で実行されるようにコントロールしていかなければなりません。状況によってリーダー役割の発揮とマネジャー役割の発揮の両方が求められているのが現実の姿です。

 

以下にマネジャーとリーダーの違いをもう少し具体的に示しています。

 

マネジャー リーダー
全般的特徴 ・課題解決者
・左脳型(理性、データ、分析)
・問題創出者、企業家的人物
・右脳型(感性、感情、直観)
仕事の特徴 ・プランニング、予算立案
〔マネジメントが目指すのは与えられた目標の達成計画の立案〕

・組織づくりとスタッフ集め
〔職務間と人間の間の整合性を考える〕
〔計画が確実に、効率的に実行されるように配慮する〕

・コントロールと課題解決
〔人々が仕事をできるだけ容易に進められるように配慮する(仕事をする上での課題解決)〕
〔仕事の進捗状況を把握〕

・方向の設定(ビジョンの設定)
〔リーダーの使命は変革の方向性を定めること〕

・人々の隊列を整える
〔ビジョンと人間との間の整合性を考える〕
〔多くの人々を巻き込み、彼らに新しい未来があることを信じさせ、共有されたビジョンを実行に移すためのイニシアティブを起こす〕

・モチベーションと啓発
〔変革につきものの抵抗を克服するためには、大きなエネルギーが必要〕
〔リーダーは人々の琴線に触れ、彼らの心の中に「仲間意識、理想、そして自尊心」を芽生えさせる〕

考え方と
行動傾向
・現在にこだわる
・危機的状況を予防したり回避したりする
・必然性の世界に生きている
・安定性に心を砕く
・短期的に考えがち
・ビジョンを欠き、指図を受ける
・なにかを守る
・すでにある枠組みを多いに利用する
・「いかに」にこだわる
・戦術、構造やシステムを重視

・他の人々をコントロールする
・調和、配慮
・ひとの割り振りを行なう
・将来に目を向ける傾向がある
・危機的状況で迫力を出す
・偶発的な世界に対処できる
・変化に備えている
・長期的にものを考える
・ビジョンがあって、他の人々を鼓舞する
・なにかを壊す、変化させる
・枠組みを創りだすか壊す
・「なぜ」にこだわる
・企業理念、根本価値、共通目標の重要性
を認識
・他の人々をエンパワーする(力づける)
・攻撃的で妥協しない
・自分でぐいぐい前進する

 

リーダーシップ発揮スタイルの種類を理解するにはいくつかの理論があります。次回から、代表的な理論をいくつか見ていきましょう。

 

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