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9.管理職のリーダーシップ⑤

5.リーダーシップのスタイル 『マネジリアル・グリッド理論』

R.R.ブレイク博士とJ.S.ムートン博士によって提唱されました。
リーダーシップの行動スタイルを「人間に対する関心」と「業績に対する関心」のふたつの観点から区分するリーダーシップ論です。

 

 

1)[1・9型(人間中心型)]

「働いてくれているのはメンバーだ。だから、人間に対する配慮が重要だ」
人間中心型は、人間に対する関心が高い一方で、業績に対する関心が低く、業績の達成よりも良好な人間関係の構築に力を注ぎます。
強い指示命令は行わず、メンバーの意思を尊重して、お願いという形で仕事を任せる傾向があります。
このタイプのリーダーシップは、甘い体質づくりにつながり規律などが崩れてしまう危険性があります。また、有能なメンバーを眠らせるか、反感を買ってしまう危険性も抱えています。

 

2)[9・1型(仕事中心型)]

「何よりも業績が重要で、メンバーを道具として使うこともいとわない」
仕事中心型は、業績に対する関心が高い一方で、人間に対する関心が低く、組織内の人間関係を犠牲にしてでも、業績の向上を目指そうとします。
メンバーを権威で従えるトップダウン型のスタイルが強く、メンバーには権威への服従を求めます。
このタイプのリーダーシップは、業績は向上するかもしれませんが、メンバーの無気力・無責任化を助長し、依存心、服従心をつくり出してしまいモチベーションの低下を招く危険性があります。

 

3)[5・5型(バランス型)]

「無理をしない、理想を追わない、そこそこで妥協する」
組織内の人間関係や業績は無難が一番であると考え、現実をよく見ていて、巧みに中道をとるのが上手いタイプです。
コトの成就を第一にし、現実的妥協を好むためにその場しのぎの意思決定をしてしまい、様々な問題の解決において、根本的な解決につながらない結果で終わってしまう恐れがあります。
また、伝統や先例を重んじる傾向が強いため、硬直的で時代遅れな組織づくりをしてしまう危険性があります。

 

4)[1・1型(消極型)]

「皆に合わせながら、少しマシなことをすればリーダーとしてうまくやっていける」
業績と人間関係の両方について無関心、放任的で、与えられた仕事を淡々とこなしていくというタイプです。
モチベーションは自分の保身であるため、もしトラブルが発生した場合は見て見ぬふりをする傾向が強く出ます。
そうすると、メンバーは離れていき、自分たちだけで意思決定を行うようになってしまいます。

 

5)[9・9型(理想型)]

「メンバーと一緒になって業績を追うことが人間関係も良くする」
理想型とは、人間・業績に対する関心がいずれも高く、組織内の人間関係を良好に保つ努力を怠らず、仕事の進捗管理も抜かりなく行うため、マネジリアル・グリッド論における理想的なリーダーシップスタイルと言われています。
理想型のリーダーの下では、メンバー一人ひとりが自由に意見を出し合えるため、メンバーの自主性や積極性が育まれるメリットがあります。

 

マネジリアル・グリッド理論は、リーダーの内面的な部分にフォーカスしています。
リーダー本人にしかわからない内面的な部分でリーダーシップスタイルを診断します。そのため、主観的な分析にとどまり、他のメンバーからみた客観的な視点を取り入れにくいという一面があります。

 

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