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【アルフレッド・デュポン・チャンドラー(人名)】

アルフレッド・デュポン・チャンドラーはアメリカの経営史学者。
ドラッカーアンゾフと並び1950年代~1960年代の経営学黎明期を代表する経営学者の一人である。
その業績から「アメリカ経営史家の草分け的存在」として知られている。

1918年生まれ。
世界最大手の格付け会社であるS&Pグローバル・レーティングの前身となった出版社、プアー出版創業者のヘンリー・ヴァーナム・プアーの曾孫にあたる。
1940年にハーバード大学を卒業し、アメリカ海軍に入る。
尚、ハーバード大学ではジョン・F・ケネディと同級生だった。
1945年に退役し、その後ハーバード大学大学院で学ぶ。
この時期にヘンリー・ヴァーナム・プアーから膨大な量の経営史の資料を引き継ぎ、また母親がデュポン家と関係があったことからデュポン家の資料にも触れていたとされている。
1962年に代表作「Strategy and Structure」を出版。
日本では「経営戦略と組織――米国企業の事業部制成立史(実業之日本社、1987年)」「組織は戦略に従う(ダイヤモンド社、2004年)」というタイトルで翻訳、出版された。
この本の中では、1920年代のデュポン社が余剰人員の活用のために多角化に舵を切り、事業部制組織を敷くに至った事情等が書かれている。
当時、「Strategy and Structure」は事業部制組織の教科書として多くの経営者に読まれ、コンサルティング会社マッキンゼーのコンサルティングサービスに大きな影響を与えた。
1977年に「The Visible Hand: the Managerial Revolution in American Business(邦題は『経営者の時代』で東洋経済新報社が1979年に出版)」でピューリッツァ賞を受賞した。
2007年5月9日没。

チャンドラーは経営史学者として「歴史から一般論を導き出す」という考え方をベースに研究を行い、論文を執筆していた。
そこから導き出した一般論というのが「事業部制組織は量的拡大、地理的拡大、垂直統合、製品多角化といった企業の規模拡大の結果、意思決定を分権化する必要が生じる中で生まれた」ということであった。
「Strategy and Structure」は日本語では「組織は戦略に従う」というタイトルになっているが、書籍の中では逆に「戦略が組織に従う」ケースも紹介されている(前述のデュポン社のケースが代表例かもしれない)。
チャンドラーは「組織と戦略」は相互に作用するものであるが、戦略と組織では戦略のほうが変えやすい、と考えていたようだ。

三谷宏治「経営戦略全史」より引用 筆者が一部加筆

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