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【水平的評価】

人事評価のやり方の一つ。
多くの企業で一般的にみられる「タテの評価=垂直的評価」に対し、同等の組織に属する従業員同士のヨコの関係の評価のこと。

水平的評価はアメリカの企業が導入する成果主義と非常に相性が良く、アメリカでは多くの企業で導入されている。
その一方、かつての日本企業は終身雇用制を背景に「人事評価制度」自体がそこまで熱心に研究または導入されていなかった。
理由としては
・右肩上がりの経済環境が長く続き、人の評価や解雇に対してシビアになる必要がなかった
・基本的に長く勤めている人の方が新入社員よりも優秀であるため評価する必要性が薄く、またその制度に不満を持つ人が目立たなかった
(会社とはそういうものだ、と会社側も働く人も常識として広く共有していた)
といったことが挙げられる。
日本企業が人事評価制度、成果主義を真剣に導入するようになったのはバブル崩壊後のことといった認識が一般的である。
評価をするには成果を定義しなければならないため、管理職や経営者の頭の切り替えは大変だったと思われる。
(もしかしたらまだ切り替わっていない部分や理解不足の部分も多いかもしれない)

現在の日本企業では水平的評価を単独で行うケースはほとんどなく、垂直的評価の補足的意味合いや、多面的評価(=他部署や同僚、顧客からの評価まで含んだ評価)の一環として行われることが多い。
垂直的評価が評価のフィードバックや面談、ハロー効果といった注意するべき心理的効果の研究が行われて制度や仕組みとして高い完成度を持っているのに対して、水平的評価の浸透度や制度としての完成度はまだまだという企業も多い。
これは垂直的評価がタテの関係を軸とするが故に指導と関わり、また評価材料が豊富であるのに対して、水平的評価は指導する、されるの関係性に無くまた評価するための材料が少ない関係になりやすいことが理由として挙げられる。

日本は本格的な人口減少社会に入ったため、これから若手社員は希少資源となっていく。
その中でタテの評価だけでは上司と部下の相性の影響が大きすぎるため、客観性や公平性、評価の透明性を高める意味で水平的評価を行うことや、下からの評価を拾う意味で多面的評価を行うことは大きな意義がある。
これからも各社による活用と研究が期待される分野である。

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