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【クルト・レヴィン(人名)】

クルト・レヴィンはユダヤ系アメリカ人の心理学者で、「社会心理学の父」「グループダイナミクス研究所の創始者」「場の理論の提唱者」として有名。
集団力学理論の始祖存在であり、その功績から企業の人材開発の文脈では組織文化論の創始者とされる。

1890年プロイセン王国ポーゼン州の中流ユダヤ人家庭に生まれる。
1909年フライブルク大学で医学を学ぶが、その後ミュンヘン大学に移る。本人の中で興味関心は哲学や心理学に移っていった。
1910年ベルリン大学に移る。
この時期にマックス・ヴェルトハイマー、ヴォルフガング・ケーラーらゲシュタルト心理学の創始者達と知り合い、この時の研究が「場の理論」という考え方として結実する。
1926年から1933年にベルリン大学教授として心理学の実験を行っていたが、ナチスが台頭し始めたためアメリカに移住する。
コーネル大学、アイオワ大学で教鞭をとった後にマサチューセッツ工科大学でグループダイナミクス研究所を創設する。
「集団は個人の総和以上のものを生み出す」という考え方のもとで集団力学(グループダイナミクスの日本語訳は集団力学とされる)の研究を行う。
その意味でその後の組織開発論、リーダーシップ論やシステム思考にも大きな影響を与えた。
1947年逝去。

人材開発の業界では「レヴィン関数」「組織変革プロセス」といったものが知られている。
レヴィン関数はB=f(p・e)と表現される。
Behavior(態度)はperson(キャラクター、個性、価値観)とenvironment(環境)の関数である、つまり個性と環境の相互作用で人間の態度は算出される、という考え方である。
ちなみにfはfunction(関数)を意味する。
簡単にレヴィン関数を説明すると、「何か(例えばダイエットなど)したくても、でもできない時には、それはその人だけのせいではない」ということと「うまくいかないのであれば環境を変えるのも一つの方策として有効」ということが言える。

「組織変革プロセス」は下記のような内容である。

組織変革プロセスは、企業では一般的に方針発表会や階層教育等で活用され、組織変革や個人のスタンス変化をする際の考え方の根本になっているものである。
その一方で悪の活用として自己啓発セミナーやマインドコントロールに与えた影響も大きい。

レヴィンの研究は「ナチスはどうやってユダヤ人迫害の社会的な状況を作っていったのか」をテーマの中核をなすものとしていた。
レヴィンが人材開発に与えた影響は非常に広範に広まっていて、現在でもその研究は発展的に引き継がれている。

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