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【コブラ効果】

コブラ効果とは、ある問題を解決しようとして意図した結果とは逆の結果が出てしまい、更に状況を悪化させてしまう現象のことを指す。
アメリカのビジネス書作家ダン・ハースの書籍『UP STREAM(日本版タイトル:上流思考)』で紹介されたことでも有名。

この言葉の語源はイギリス統治時代のインドで起こったエピソードにある。
当時、デリーのコブラの多さに悩んだイギリスの行政官が「コブラの死体を持ってきた人には報酬を出す」というお触れを出した。
インセンティブの力を借りて問題を解決しようとしたのである。
それを受けて、当時のデリーに住んでいた人の中に「コブラを繁殖させて死体を持っていけば儲かる」と考えた人が現れて、「コブラ牧場」とでも呼ぶべきビジネスが出てきた。
その後、コブラの死体は山ほど届くのに状況は解決しなかったため、報奨金は撤回された。
しかしその時にはすでに繁殖/飼育されたコブラは非常に増えていて、コブラ牧場の経営者は報奨金の撤回を受けてコブラの飼育をやめて放してしまった。
結果、コブラは以前よりも多くなってしまったのである。

システム思考や複雑性の問題を取り扱った書籍『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方』でも、これに似たような問題のパターンをいくつか紹介した上で「昨日の問題解決の結果が今日の問題を生んでいる」ことが頻繁に起こっている、と指摘している。
上流思考にしてもシステム思考にしても、問題を個別分解して対処するのではなく全体のつながりの中で解決すること、またなるべく対処よりも未然防止や予防を重要視することを推奨している。

イギリスの行政官のしたことは他人事としてみれば残念な解決策で、「自分はそんなことはしないはずだ」と多くの人が考える。
しかし、こうした書籍が売れて読まれても「コブラ効果的問題」がなかなか減らないのは、複雑な問題への対処は簡単なものばかりではないことのまさに証明なのではないだろうか。
他人事ではなく自分事として「こういうことは往々にしてありうる」「自分もしてしまうかもしれない」という受け止め方がコブラ効果の正しい教訓かもしれない。

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