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【アルムナイ採用】

アルムナイは英語で「卒業生」「同窓生」を指す言葉である。
そこから転じて、人事関連の文脈では「自社の定年退職以外の退職者、卒業生」のことを指す。
つまりアルムナイ採用とは「自社を途中でやめた人を再度採用すること」である。

「アルムナイ採用」は、これまではどちらかというと欧米企業の概念であった。
日本が新卒一括採用、終身雇用の文化を長く堅持していたことで、途中で辞めた社員は「裏切り者」であり、辞めたのに戻ってきた社員は「出戻り」というようなネガティブな受け止められ方をすることが少なくなかった。
それに対して欧米の企業は、「退職した人を再雇用して戦力化する」ことについて前向きであったと言われている。
実際アルムナイは、社内の状況や組織風土をある程度理解していて専門知識も持っているので戦力として魅力があり、また「昔取った杵柄」があるので「戦力化」「組織適応」にかかるコストが新卒と比較すればはるかに小さくて済む等、企業にとってもメリットが大きい。
結果、欧米企業は一般的にアルムナイ採用に対して前向きであり、日本企業は後ろ向きというのが以前の状況だったと説明できる。
しかし日本でも終身雇用制が崩壊して雇用の流動性が高まると、アルムナイの活用とそのメリットが注目されるようになり、この5年くらいで風向きは大きく変わりつつある。

アルムナイ採用を積極的に進めようとしたときに重要になるのが「良い辞められ方」「辞められ方マネジメント」であるという指摘がある。
未だに日本企業では途中で辞める人のことを「裏切り者」と見る風土が根強い。
また、アルムナイ採用という概念がまだ浸透していないため、その人が辞めた後また会社に戻ってくる可能性については考慮されていないことが多い。
退職が決まった後に、上司や同僚が「もううちの会社には関係ない」というようなドライな対応をしてしまう企業も少なくない。
結果、辞めるまでの間にある種のパワハラや不公平な評価をしてしまい、辞めていく人に「絶対にこの会社には戻りたくない」という悪感情を植え付けてしまっているケースが見受けられる。
この点で気を付けないと、アルムナイ採用の活用が期待できなくなるどころか「後味の悪い辞め方」が次の退職者を生む負のスパイラルになりかねない。
アルムナイ採用が前提にあろうがなかろうが、「良い辞められ方」「辞められ方マネジメント」は内部統制の観点で今後も重要とされるだろう。

アルムナイ採用は今後日本でも活用が期待されているが、そのためには雇用の流動性についての理解の浸透や「辞められ方マネジメント」の浸透が重要となってくるものと思われる。
企業の組織風土変革の一つの切り口としても注目される概念である。

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