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【センス・メイキング】

センス・メイキングとは日本語で「意味づけ」「納得」を意味する概念のこと。
経営学の用語としては、「これまでの出来事」「今起こっていること」「想定外な出来事、すぐに呑み込めないモヤモヤすること」に意味づけを行って企業経営の方針を打ち出すプロセスのことを指す。
90年代の終わりから2000年代初頭にかけて、ミシガン大学の組織心理学者カール・エドワード・ワイク氏らを中心に研究された。
日本では入山章栄氏が「腹落ちの理論」とし説明したことで有名となった。
※関連するキーワードとして「OODAループ」「ピレネーの地図」をご参照ください。

センス・メイキングが必要とされている背景には、企業経営における「VUCAワールド」の影響が強く存在する。
企業を取り巻く環境として、新しい技術革新が出てきてそれまでの競争環境が覆されたり、多様な価値観が出てきたりすると、経営者層やリーダー層は自分たちの足をしっかりと地につけたくなるものである。
状況が激しく変わるとそれに振り回されがちになるものだが、そこで自分たちの拠りどころを打ち立てるためにセオリーやプロセスが必要となり、そうした要請からセンス・メイキングが出てきたというのが文脈的な背景である。

センス・メイキングが理論的に発展していく中で、センス・メイキングを普通の解釈と線を引くためには下記の7つのプロセスが含まれていると定義されている。

1、アイデンティティの構築
センス・メイキングで自分自身のアイデンティティが構築される一方、そのことを通して作り上げたアイデンティティが組織や自分自身を規定する。

2、回顧
過去についての検証、過去の振り返りを行う。

3、有意味な環境や行動をイナクト(制度化)する
行動を出発点として環境に働きかけることを通して「認識」「環境」「行動」を制定して周囲の行動を制定していく。

4、社会性
他者との関係性、社会性そのものに意味を見出し、関係性を構築する。

5、継続性
センス・メイキングには始まりもなく終わりもない。そうした継続のプロセスを通して組織や個人に蓄積を作る。

6、焦点として抽出された情報や局面を手掛かりとする
焦点として抽出された情報や局面を今後の手掛かりとして扱う。

7、正確性よりも納得性
センス・メイキングを行うのは不明瞭で変動値が激しい状況である。その中で正確な情報やデータを手に入れることにフォーカスしてしまうと大事な次の一歩を躊躇して踏み出せなくなることもありうる。

そこで、センス・メイキングは「正確性」を二次的要素にして「納得性」を重要視する。
センス・メイキングは経営学、組織心理学の用語として流通しているが、認知心理学や哲学からの影響も見られる。
そうした意味では「こうすればうまくいく」という強いセオリー性を持つものではなく、コンセプトや学問領域として練られるのはまだこれからの部分もあると思われる。

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