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【マイケル・ポーター(人名)】

マイケル・ポーターはアメリカ合衆国の経営学者で競争戦略論の代表的人物で、代表的な著書に「競争の戦略」がある。
ファイブフォース分析やバリュー・チェーンといった、経営学の歴史に残るような有名な手法を提唱した。
その考え方についてはポジショニング派の主要論客、大テイラー主義(テイラーが創始した統計学的アプローチを拡大/発展させて経営学に展開した学派)の中心人物と評価されることが多い。

1947年生まれ。プリンストン大学で航空工学を学んだあとハーバードでローランド・クリステンセンやケネス・アンドルーズの経営学の授業を学ぶ。
1980年、33歳の時に代表作「競争の戦略」で有名になる。経営学の世界では今でも古典として多くのMBAホルダーに読まれている本である。
35歳でハーバード・ビジネス・スクールの正教授になる。
1985年「競争優位の戦略」、1990年「国の競争優位」、1999年「競争戦略論」を出版する。

ポーターが開発したもので特に有名なものが、下記のような図で説明される「ファイブフォース分析」である。

 

ポーターの考えを極端に説明すると、経営戦略で重要なのは「儲かる市場」で「儲かる位置取り(=ポジショニング)」をすることである。
それまでSWOT分析等の分析ツールは存在したが、企業の外部環境を分析する着眼点にはややあいまいさがあった。
ポーターは、業界の競争構造を理解するためには上記の図で業界を分析すればよい、として50の分析リストを提示した。

その上で「儲かる位置取り/ポジショニング」には「自分たちが儲かりそうなニッチにフォーカスする=集中戦略」「低コストで戦う=コストリーダーシップ戦略」「付加価値で戦う=差別化戦略」の3つしかない、と説明した。

ポーターの考えは時に「学問的すぎる」「静的な状況分析を重要視しすぎ」と批判された。
また、主に産業構造の分析を主要テーマに置き、時に国家レベルまで「位置取り」「ポジショニング」の視野と概念を拡げる考え方は、目の前の経営課題に取り組む経営者からすると「上から目線でどこか他人事な評論家の意見」「自分の力の及ばないレベルの話をされても困る」と感じてしまうものだった。
それと並行して、「アメリカで自分たちのやり方が通用すると証明したかった」というホンダ等の日本企業がある意味戦略不在のまま情熱と技術で躍進する時代が訪れてしまう。
こういった時代背景の中から、ポーターの考えに反対する派閥が形成されるようになる。
その中から出てきた「企業が人的資源を源泉に競争する」という研究を行う「ケイパビリティ学派」とポーターは激しく意見をぶつけ合うこととなる。

ポーターの「ポジショニング学派」と「ケイパビリティ学派」の対立の歴史が経営学中期の歴史で、考えようによってはいまだに続いている論争と言っても過言ではない。
ポーターはその論に反対する学者も多いが、それだけ影響の大きい経営学者だった、と言えるだろう。

三谷宏治「経営戦略全史」より引用 筆者が一部加筆

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