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【クリス・アージリス(人名)】

クリス・アージリスはハーバード大学名誉教授で、組織行動科学者、産業教育心理学者。
学習する組織の起源の一人として知られ、「シングルループ学習/ダブルループ学習理論」や「成熟/未成熟理論」「幼弱性の4要素論」等で知られる人物。

1923年にギリシア系移民の子としてアメリカニュージャージー州に生まれる。
子供のころから学ぶことが好きだったそうで、クラーク大学で心理学とビジネスを学び、カンザス大学で修士号、およびコーネル大学にて組織行動論の博士号を取得する。
イェール大学労使関係センター研究員・同部長および同大学教授を経て、1971年にハーバード大学の教授となる。
学んだことを活かして世の中をよくすることに情熱を燃やすタイプの研究者で、その後は経営コンサルタントとしても活躍し、IBM、シェル、アメリカ国防省や各国政府に対してコンサルティングを行った。
1978年にドナルド・ショーンとの共同研究「ダブルループ学習理論」を発表。
1983年にマイケル・ポーターらとコンサルタント会社モニターGLPを設立。
世界的に強い影響力を持つ組織研究の大家として名をはせる。
2013年に死没。

アージリスはテイラー主義に反対する立場を取りながらも実務志向であったことも高い評価を得ている。
アージリスは、企業組織には「信条としての原理」と「実用のための原理」の両方があり、その上で(難しいことではあるが)信条としての原理を羅針盤として進めることを説いた。
アージリスによると多くの企業の経営者や管理職の頭の中にはいわゆる「本音と建て前」が存在するが、本音を話さないことが合理的とされることが多く、その結果が隠ぺい体質や権威への執着的な気質を生み、結果ブレイクスルーが生まれる環境の阻害や生産性の低下につながっているという。

現在では、Google社が進めた「プロジェクト・アリストテレス」の調査の結果「企業組織の心理的安全性が企業の生産性に良い方向で大きく影響する」という考え方は広く知られている。
(※組織の心理的安全性の項目を参照のこと)
またコロンビア大学の心理学者ハイディ・グラント・ハルヴァーソンも「本音で話す分かりやすい人は誤解されるストレスを回避しやすく、生涯の幸福感が高い」といった研究結果を著書内で紹介している。
アージリスははるか昔からその結果を予見していたといえるだろう。
日本ではこれまで本や論文が翻訳される機会がそこまで多くなかったが、これからも要注目の学者の一人である。

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