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【ZOPA】

ZOPAは「Zone of Possible Agreement」の略であり、日本語では「合意可能領域」と訳される。
読み方としては「ゾーパ」と読まれる。
BATNA、アンカリング、RV等と併せて代表的な交渉用語である。
ZOPAは本交渉に臨む準備段階で設定しておくことが一般的で、交渉がどこで妥結できるのか、可能性がある範囲のことを指す。

例えば、友人にテレビゲームのソフトを売るという交渉があるとする。
この際に古本屋さん等で中古だとそのソフトがいくらで売っているか、を調べるのが交渉の基準値となる。
(尚、この基準値を提示することをアンカリングという)
例えば3,000円で中古ソフトショップでは売っているとして、3,000円のプラスマイナス500円であれば買いたい、と思っているとしたら2,500円~3,500円がZOPAとなる。

BATNAやZOPA、アンカリング、RVは交渉が開始してからある程度着地の方向性が見えてきてから締結に向けた準備として行うもの、という位置づけである。
現在の交渉や商談はWin-Winを一つの理想形として掲げている。一方的な要求ではなく現実的な着地を求め、短期的な勝ち負けではなく中長期的な関係性の構築を目指している。
この背景には過去から「立場にものを言わせた交渉」が人間関係や信頼関係を壊してしまい、また各種のハラスメントやコンプライアンスエラーの温床となり、ある種の保守的/膠着的なビジネス環境を保存する一因となっていたという反省が存在する。
こうしたことから、より交渉や商談を民主化/公平化、公正化し、対話をもって世の中が回るようにする方向で交渉の技法や考え方がアップデートされてきた。
その中でZOPAは「撤退ラインを先決めする」という点で交渉の基本技法の中でも源流的なものとして位置づけられるものと思われる。

交渉をする際にZOPAを先に決める、つまり「どこまで負けていいか」の線を先に引いておくことで交渉、商談において「一方的に負けてしまう」「ズルズルと交渉を続けてしまう」状況を避けることができる。
また、交渉相手のZOPAも推定することで交渉についてより立体的/高解像度で分析を行うことができるようになる。
BATNAにしてもZOPAにしても言葉としては認知されていないが、商談や交渉の現場では無自覚に行われていることが多い。
言葉として定着することで組織や個人の中でより明確な形となるため、今後もこうした言葉は交渉の場面で存在感を発揮するものと思われる。

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