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【ジャーゴン】

ジャーゴンとは仲間内や業界内でのみ使われる特殊な専門用語。転じて、訳の分からない言葉のこと。
多くの場合、より分かりやすくて一般的な言葉の代わりに使われる。
下記のようなものがジャーゴンの一例であり、なんとなくニュアンスをご理解いただけるのではないだろうか。

・アメリカ軍では「ペン」ではなく「インクスティック」と呼ぶ慣習がある。
・暗号通貨の世界では最高値をATH = All time high と表現する。
・研修業界やコンサルタント業、士業の世界では「講師報酬」を「講師フィー」と英語で表現する人も多い。
・日本の研究職、技術職は交渉することを「ネゴる(negotiation)」、飽和することを「サチる(saturation)」という。

ジャーゴンは分かりにくい上に気取っている、鼻につくと批判されることも多い。
更には、以前某外食チェーン店の取締役がセミナーで使った用語が実は仲間内のジャーゴンだったように、一般常識的には完全に不適切かつ使用するのが意味不明で不愉快なニュアンスと思われるような用語も存在するようだ。
しかし、それにもかかわらず多用されるのは 「意識的にも無意識的にも、専門的なコミュニティの一員であることを示す言語ツール」であるからだという。
そうした意味でジャーゴンは華やかな肩書きや、飾り棚のトロフィー、あるいは高価なブランドの腕時計のような機能を果たすとされている。
また、ステータスの高い人より低い人の方がジャーゴンを使う頻度が高いという研究結果が出ている。
(ハーバードビジネスレビュー 2021年5月19日、ザカリア C. ブラウン、エリック M. エニシッチ、アダム D. ガリンスキーの論文より加筆/引用)

ジャーゴンは自分自身が所属するコミュニティへの帰属意識やメンバーシップの顕示といった効果がある一方で、外部の人からは不快感やコミュニケーションの難易度を上げるとという負の効果がある。
何らかのジャーゴンを使う人はこのことを理解し、時と場合によって使い分けたり、分かりやすく言い替えたりする習慣づけをする必要性がある。
公式に使用される専門用語にはテクニカルターム(technical term)という言葉がある。
たとえテクニカルタームであっても多用はあまり良いようには受け取られないこともある。
不適切なものでなくても、むやみにジャーゴンを使うと「意識高い系」と見られてしまう、と表現できるだろう。

実は子供向けの図鑑を書くメンバーは各分野で日本屈指の学者である、と言われている。
また、著名なアメリカの投資家ウォーレン・バフェットは、株主総会では「ビジネスに興味がない二人の姉妹でも理解できる」ようなコミュニケーションを心がけているという。
ジャーゴンや高度な専門用語に頼らずに難しいことを分かりやすく簡潔に説明できる人が本当にステータスと専門性が高い、ということの証拠と言える。

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