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【競争の型】

1986年、アメリカユタ大学の経営学教授ジェイ・バーニーが提唱した企業の競争環境を理解し、分析するためのフレームワークの一つ。
バーニーは参入障壁の高い低いによって「IO(industrial organization)型」「チェンバレン型」「シュンペーター型」に分類することができ、大切なのはそれぞれの競争の型の中で適切な戦略を打ち出すことである、と説いた。

IO型:
参入障壁が高く、業界を揺るがすような不確定要素があまり多くない。
結果、2~5社で安定的な状況を形成し、過当競争を避けている業界。
代表的とされる業界:アメリカのシリアル業界やコーラ業界、日本のビール業界 等
有効な戦略:SCP(structure-conduct-performance)理論
業界内の競合と比較し、業界内のポジションを明確にするポジショニング戦略を重視する。
ポジショニング戦略の方針としては「差別化戦略」「コスト・リーダーシップ戦略」の2種類に大きく分けられる。

チェンバレン型:
IO型と比較して参入障壁は低く、IO型よりも多くのプレイヤーが穏やかに差別化しながらある程度激しく競争をしている業界。
代表的とされる業界:日本の自動車業界、かつての日本の家電業界
有効な戦略:RBV(Resource Based View)理論
「技術力」や「人材」といった企業内部の保有資源を競争力の源泉とする。

シュンペーター型:
チェンバレン型よりもさらに参入障壁が低い業界で、不確実性が非常に高い業界。次々に新しいプレイヤーが登場し、また常にイノベーションや大きな変化の波にさらされている。
代表的とされる業界:IT業界
有効な戦略:リアル・オプション理論
変化が激しく、将来予測があまり役に立たない業界なので、分析、戦略、計画に時間をかけるよりは早く商品やサービスを市場に投入してトライアンドエラーのサイクルを高速化する。

変化の波が激しい現代社会では業界レベルで競争の型が変わっていることも珍しくない。
また、それぞれ別の業界のプレイヤーが別の業界に参入するような現象も珍しくなく、きれいな整理がしにくくなってきている。
結果、競争の型に合わせて適応した戦略を選び、実行していくというよりはこれまでの業界の競争環境を理解し、その中でこれからどう立ち回るかを考えるための切り口として活用されることが多くなってきている。

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