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【フット・イン・ザ・ドア・テクニック】

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、交渉や依頼の場面でまず簡単な要求からスタートして段階的により難しい要求をする心理テクニック、交渉テクニックの一種である。

例えば「アフリカの恵まれない子供たちに募金をお願いします。金額はいくらでも結構です」と言われたとして、500円募金したとする。
そこに「実は、今日一日の募金目標にあと50,000円足りません。アフリカの子供たちを助けるためにもう少しだけどうにかいただけませんでしょうか?」と言われてしまうと多くの人が先に払った500円にプラスして500円以上のお金を追加で払ってしまう、というような現象を示すと言われている。

このテクニックが成立する理由は、一貫性の法則(=人間はコミットメントした内容に対して一貫した姿勢を持っている人、義理堅い人だと思われたいと思うという法則)が働いているから、と説明されることが多い。
ここでは一回500円払ったことで「自分はアフリカの恵まれない子供のために募金をする優しい人なのだ」という価値観が生まれ、そこを足場として一貫性の法則が働いている。
すなわち「一回約束したことから自分はブレていない」「自分は優しい人として一貫してあるべきだ」と思ってしまう、また実際にそうした行動をとることで心理的に満足したい気持ちが背景として存在する。
よく似た心理テクニックに低いハードルの要求を投げかけてイエスを取り付けてから不都合な条件を伝える「ローボールテクニック」と呼ばれるものがある。
一貫性の法則を始めとして交渉や商談、説得時の人間心理に関する法則論をまとめた書籍で有名なものとしてはロバート・B・チャルディーニ著「影響力の武器」がジャンルを代表する書籍として知られている。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは非常に古典的で有名な交渉スキルの一つであり、また違法すれすれ(またはアウト)の悪徳商法等でマニュアル化されて悪用された過去も持っているため、相手や文脈によってはもしかしたら逆効果かもしれない。
どちらにしてもフット・イン・ザ・ドア・テクニックを始めとする交渉心理のテクニックは、状況や相手とのパワーバランス等々様々な要素を加味した上でようやく有効活用できるものだ、ということを理解しておかないとネゴシエーターとして信用できない、胡散臭い人になってしまうので注意が必要である。

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