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【チーミング】

チーミングは「(組織の)心理的安全性」の項目でも触れたハーバードビジネススクール教授で組織学習の研究家であるエイミー・C・エドモンドソンが提唱した概念である。

エドモンドソンの説明によると、チームワークは名詞でチーミングは動詞であり、「協働する」を意味する造語である。
チーミングが注目される背景にあるのは、複雑化する環境に対して適応するためにより柔軟な組織運用が重要になってきている環境にある、とエドモンドソンは説明している。
集団思考/集団浅慮サイロ・エフェクトシステム思考の項で解説した通り、大きな企業は「安定して大きな成果を挙げようとすればするほど組織は大掛かりかつ硬直的なものになり、変化に対応できなくなる」「結果、昨日の成功体験が明日の失敗の原因になる」という現象が多く見られる。
こうした複雑系環境に適応するためには、「トップダウン的マネジメント」ではなく創発を重要視する「複雑系適応のマネジメント」がなされなければならない。

こうした考え方に基づいて、組織を硬直的/静的なものとして考えるのではなく、短期間で集合と離散を繰り返す動的なものであると前提して、柔軟な組織化の中で方向性を共有して団結させ、目的を達成するための方法論として登場したのがチーミングである。
エドモンドソンによると、チーミングの成功している組織は「率直に意見を言う」「協働する」「試みる」「査察する」という4つの特別な要素が多く見られるとしている。
こうした要素は、組織の心理的安全性とも重複する部分である。
また、チーミングを行うには「実行する組織」から「学習する組織」への組織観の大きな転換を行わなければならないとしている。

チーミングは「インダストリー4.0の普及」「新製品開発におけるラピッドプロトタイピングの増加」「ルーチン前提の組織からプロジェクトマネジメント型組織への転換」「ノマドワーカーの増加」といった産業構造の変化に「複雑系の思想」と「学習する組織」の考え方が合流する中で登場した考え方と位置付けることができる。
日本企業はこうした考え方からするとまだまだ硬直的な組織構造を持つ企業が少なくない。
このような状況でうわべだけの真似事はなかなか成果が上がりにくい。
今後、「チーミング」や「組織の心理的安全性」の成果として日本発の世界的ヒットアイテムが出てくれば、それをきっかけにより研究と実践が進むと思われる。

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