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【セレンディピティ】

セレンディピテイ(serendipity)とは「予想外のものを発見する能力」や「何かを探している時に幸運にも別の良いものを見つけること」を指す言葉。
元々は18世紀のイギリスの作家ホレース・ウォルポールが、「セレンディップの3人の王子たち」というおとぎ話を呼んで創作した造語であるとされている。
「セレンディップの3人の王子たち」とは彼らの才気や洞察力で有益なものを偶然手にしたり、困難を乗り越えたりしていく話である。
尚、セレンディップはスリランカの旧称であり、このおとぎ話の成立は5世紀頃、ヨーロッパには16世紀に伝わって知識階級を中心に広まっていたとされる。

ビジネスの世界ではイノベーションを起こす能力として期待されている。
セレンディピティの代表的な事例としては下記のようなものが知られている。

スリーエム社:強力な接着剤を開発していたが非常に接着力の弱いものができてしまった。
同社の研究員が譜面から落ちるしおりを見かけて付箋として開発できないか、と考えたのが人気商品ポストイット開発のきっかけと言われている。

カッター:歯を折るタイプのカッターが開発される前はカミソリで紙を切っていたのだが、切れ味が落ちた後は交換するしかなかった。板チョコを食べている人を見て刃を折って切れ味を維持するカッターを思いついたと言われている。

サランラップ:第二次世界大戦当時はアメリカ軍の兵士の水虫防止のために靴の中敷きに使われていた。その後、ピクニックに行く際に奥さんがレタスを包んでいるところから着想を得て「食べ物の鮮度を保つもの」として大ヒットしたという。

日本では故外山滋比古氏(お茶の水女子大名誉教授、英文学者)が「思考の整理学」「乱読のセレンディピティ」といった一連の著作で取り上げ、大学生や発想法を必要とする人を中心に知られるようになった。
エピソードとしても面白いため、ノーベル賞学者がスピーチの中で研究上重要な着想を得た際の話を取り上げることも多い。
また、思いがけず良い買い物をすることをマーケティングの世界では「セレンディピティ消費」と呼ぶ。

ノーベル賞学者が例えば「コーヒーを飲んで愛犬と戯れている時に研究テーマについてのアイデアを思い付いた」とスピーチしたとする。
では、一般の人がコーヒーを飲んで愛犬と戯れればノーベル賞級のアイデアを思いつくかと言われればそうではないのは明白である。
一般的にセレンディピテイは棚から牡丹餅」「ラッキーパンチ」的な単なる幸運を指すものではなく、幸運にプラスして「洞察力」「普段からの問題意識」から発生するものであり、スキルではあるとされている。
しかし、どうすれば能力を習得できるかについてははっきりしていない。
このような背景から、標準化して身につけられるスキルとして企業研修で扱われるにはまだ研究が足りないテーマである。

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