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【ベンチマーキング】

ベンチマーキングは、自社のビジネスプロセスの非効率な箇所を改善するため、同じプロセスに関する優良・最高の事例(ベストプラクティス)と比較分析を行う手法のこと。
1989年にゼロックスのロバート・C・キャンプが確立したとされている。

1970年~1980年前半のゼロックスは、日本企業の躍進もあってシェアが急落する事態に直面していた。
ゼロックスの経営陣は「品質」「時間」「コスト」のすべてにおいて日本企業に劣っていることを謙虚に認め、全社的な経営革新に乗り出した。
その二つの柱が「TQM」と「ベンチマーキング」だったとされている。
尚、TQMは総合的品質管理経営と訳されるもので、経営目標から全社的な視点で「品質目標」「顧客満足度目標」といった目標まで体系的に落とし込む手法である。
IEの項を参照のこと

ロバート・C・キャンプの指揮の下、日本企業が行っていた調査活動/改善活動をベンチマーキングとして企業活動に落とし込んでいった。
ゼロックスは倉庫業務をL.L.Bean、請求業務をアメリカンエキスプレスに学んだ。
倉庫業務では台車の置き場所の指定や使用する箱の大きさの選定、梱包順の指定などを通して200万ドル以上の在庫削減に成功したという。
また、請求業務においては「顧客満足度38%アップ」「間接事務費50%カット」といった大きな成果を挙げることになった。
その他の有名な事例としては、格安航空会社サウスウェスト航空がモータースポーツのインディ500に「ピットイン作業」を学び、飛行機の整備業務を大幅に効率化したものが知られている。

このようにベンチマーキングは他社、他業界の事例に学ぶことで大きなブレイクスルーをもたらす可能性があり、またエピソードも面白くて注目を集めやすいものである。
その一方で、「悪い意味でただ目標をまねるだけ」のベンチマーキングとなってしまうことに対して注意が必要である。
例えばロッテリアは、一時期競合であるマクドナルドをベンチマーキングして低価格路線を進めていたのだが、自社ならではの良さを見失い結果大きく業績を悪化させてしまった過去を持っている。
ベンチマーキングを効果的に導入するためには「目的=何のためにまねるのか」と「何を学ぶか」「誰から学ぶのか」の選定が重要といえるだろう。

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