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【大退職時代】

大退職時代(英語ではGreat Resignation)とは、アメリカで2021年以降進行している、記録的なペースで退職者が出ている状況を指す。
月400万人以上の退職者が出ることも珍しくなく、2021年のアメリカの退職者は4780万人に達したと言われている。

大退職時代の背景には複数の要因があると言われているが、その中で最も大きなものがコロナ禍による働き方の変化があるとされている。
新型コロナウイルスの感染拡大の中で各国首脳はステイ・ホームを呼び掛けた。
そうした中で飲食や医療といった接客、対人の仕事に就いている人はステイ・ホームする訳にもいかず、感染の恐怖におびえながらも仕事をしなければならなかった。
このことが仕事を続けていくことについて疑問を持つきっかけになったのでは、という意見がある。
また、ステイ・ホームしていた人も自由になる時間が増えて今後のキャリアについて考える時間ができたことが状況に影響を与えていると言われている。
社会心理学の世界では「存在脅威管理理論」と呼ばれる考え方があって、それによると人間は「死の脅威」にさらされた時に様々な防衛行動をとるという。
その中に「今後の人生や幸福について平常時よりも深く考える」というものがある。
その結果、別のキャリアを選ぶ人が増えたのでは、というものである。
アメリカの場合はそこに好景気からの売り手市場が背景となってこのような状況が生まれたと言われている。

日本ではどうかというと、2019年に転職をした人が351万人となり過去最高を記録したと言われている。
この数字はアメリカと比較すれば人口対比で考えて爆発的に退職者が出た、とまでは言えない状況である。
しかし、以前から雇用慣習と働く人の意識の変化、働き方の変化やそれに伴う企業風土の変化もあって、退職者は今後増加すると予測されているのが基本的な状況である(2023年5月現在)。
また、多くの人材紹介の会社が大量の広告を打っていることからも、人材の流動化は今後日本でますます進んでいくと予想される。

少子高齢化もあって、どの企業でも新入社員、若手社員は希少資源となっている。
日本とアメリカでは状況が違うので今後「日本版大退職時代」が来るかどうかは定かではないが、今後、日本企業が退職の問題に対処していくためには、人的資源のマネジメントについてこれまでの考え方から大きく変えていく必要があると思われる。

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