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【オン・ボーディング】

船や飛行機に乗っている状態を表現する「on board」から派生した言葉で、企業の場合は企業の一員として迎え入れて慣れてもらい、活躍してもらう状態を目指すプロセスのことを指す。
多くの企業で新入社員を迎え入れて入社式や研修を行っているが、一連の入社式、新入社員研修を含めたある種の通過儀礼こそがまさに代表的なオン・ボーディングのプロセスである。

企業を船や飛行機にたとえる通り、社員は立場が変わって新しく「乗組員」になったのであれば
「我々はどこから来たのか=自社の歴史を理解する」
「どこを目指しているのか=自社の経営計画や方針、ビジョンを理解する」
「どういう航法なのか/どういう動力源を使っているのか=どうやって利益を上げているのか/どういう考え方で経営をしているのか/どういう顧客が自社を支持しているのか」
を全乗組員が理解し、その乗り物のルールに従って業務に従事することは安定した航行のためには非常に重要なことである。
そのための方向性の意識づけが「オリエンテーション」や「ガイダンス」の位置づけであるが、こういったことはあまり意識されて行われていないのが実情ではないだろうか。
オン・ボーディングを研究したクレインとヒューザーはその著書の中で、オンボーディングには3つの機能があると述べている。

①情報を与えるインフォーム活動
②迎え入れるウェルカム活動
③導くガイド活動

上記のような内容は新入社員研修で基本として行うことであるが、ある意味「お客様から乗組員への意識変革」こそがオン・ボーディングの本当のねらいと位置付けることができる。
最近では、中途入社社員の早期戦力化、新しい役員の迎え入れ等の施策も「オン・ボーディング」という言葉で表現することが多く、これらの施策により自覚的に取り組むことが重要となってきている。
そうした前提を考えると、オン・ボーディングのゴールは「迎え入れる」ための一連のプロセスを行うことでなく、その後の「期待通りに活躍してもらう」ことをもってゴールとしてとらえなおす必要がある。
配属辞令や内定証書、社員証等の「立場が変わったことを明記した書類やシンボル」を準備することとそれを渡す「通過儀礼」は表面的で空虚な「儀式」ではなく、オン・ボーディングの重要な要素として位置付けることができるだろう。

今後、企業組織のメンバーの多様性が増し、また転職が当然となる世の中が来るとしたらより重要性を増すキーワードといえるのではないだろうか。
多くの日本企業にとってまだまだ研究と工夫の余地のある分野である。

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