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【BATNA】

BATNAは交渉の用語の代表的なものの一つであり、日本語では「バトナ」と読む。
Best Alternative to Negotiated Agreementの略であり、「不調時代替案」「次善策」と訳される。
交渉が破談になった時、またはなりそうな時に次の一手を考えておくことで、交渉時の重要な準備の一つとされている。

例を挙げるとしたら、「就職活動の時に第一志望と第二志望から返事をもらっているのだが、第一志望の会社はやや条件が悪い」というような局面で、第一志望との話がうまくいかなかった時に第二志望の会社に入社する選択肢が「BATNA」である。
交渉では強い「BATNA」を持つことが交渉時の立場の強さにもつながると言われている。
また、これらの準備をきちんと進めておくことで「交渉時に精神的な余裕を持つことができるようになること」「一方的な負け交渉になることを避けることができるようになること」が大きなメリットと言われている。

尚、BATNAを行使した時に得られる価値をReservation Value (留保価値)と呼び、これを下回るようであれば交渉からの撤退を決めるというトリガーの役割を果たす。
先ほどの事例で言えば、第一志望の会社がたとえブランドや格付けがあったとしても、それよりも第二志望の会社の方が待遇面で良く、また残業も少ないのであれば第二志望の会社を選ぶ人も多いと思われる。
このような状況からBATNAの検討と併せてRVの分析を行うことが求められている。

BATNAの重要ポイントとして、自分自身の「破談時の次の一手」を考えておくだけでなく相手の「BATNA」も準備段階で先に考えておくことと、「相手がBATNAを選んだらどうなるか」をシミュレーションしておくことが重要であるとされている。
最近の交渉は狭い視野で勝ち負けを決めるのではなく、一方的に勝つのではなく双方にメリットがあるWin-Winな関係を追求する姿勢をもつことであったり、中長期的かつ現実的な視野を持って交渉したりすることが重要であるとされている。
また、かつては立場、ポジションパワーを笠に着た交渉で一方的に交渉する人も多かったのだが、コンプライアンスや「独占禁止法」「下請け法」等の法律も「優越的地位の濫用の禁止/制限」といった形で不公平、不公正な取引が制限される、ハラスメントの禁止といった形で世の中の趨勢はより公平/公正な取引をする方向に動いている。
その時に重要なのが「対話」であり、お互いに尊重する姿勢である。
このような状況を支えているメソッドという意味でも、交渉の準備のセオリーとして「BATNA」は今後もますます重要となっていくと思われる。

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