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【リテンション】

Retention=保持する、維持するを意味する英単語。
企業内で活用される場合には「既存顧客の維持」というマーケティング文脈での活用と、企業内の「人材の維持」という人事戦略文脈での活用が多い。

マーケティング文脈の「既存顧客の維持」の考え方としてはCRM(=Customer Relation Management=顧客との関係管理)という考え方が知られている。
根本の発想としては「新規顧客の開拓よりも既存顧客の離脱/ロス防止のほうが収益性が高いため、顧客との関係を上手に管理して効率的に経営を行う」という考え方である。
出展元が定かでなく、またその計測方法も定かでないが「1:5の法則」と呼ばれるものがある。
新規顧客開拓のコストは既存顧客の5倍かかる、というものである。
CRMと横文字の名前が付くと新しいもののように感じられるが江戸時代の商家の知恵「大福帳(=顧客台帳)」や「八百屋さんがお得意先さんにオマケをする」といった種類の顧客志向の管理やサービスの重点化志向はビジネスの世界では古くから行われてきたもので、ある程度普遍的なコンセプトといえる。
今後はAIやビッグデータといった技術革新と統計データとの連携から新しい手法やサービスが生まれることが期待されている。

人事戦略の文脈では「企業内の人材の維持」「成長に向けた戦略のための人員確保」という意味で活用される。
日本の企業は長い間「一括採用」「終身雇用」「年功序列」の雇用慣習を維持してきたため、その副産物として「採用した人はよほどのことがない限り辞めない」「誰かが辞めることが企業の痛手にならないようにゼネラリストとして育成し、退職については異動で補う「また異動に応じること自体が忠誠心のリトマス試験紙として作用する」「4月になれば新入社員が補充されて都度体制構築する」とい考え方が広く多くの企業に存在した。
この考え方が背景となって「人が辞めてもまた採用すればよい」「自社に適応できないのは本人の問題」という空気が醸成されていた。
結果「人材のリテンション戦略」についてそこまで自覚的に取り組んでいなかった、取り組む必要がこれまでなかった企業も多い。
しかし「今後労働人口が間違いなく減り、人材獲得競争が激化することが強く認識されるようになってきたこと」「企業内で働く人の多様化が推進されていること」「ブラック企業という言葉や背景にある考え方が浸透してきたこと」などの諸要素が絡まりあった結果、人材のリテンション施策について見直しを迫られている企業も少なくない。
こちらはまだまだ多くの日本企業で課題となるキーワードといえるだろう。

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