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【リフレーミング】

リフレーミングはものの認知の枠組みを変えることで、ものの意味づけを変える手法のことで、特に肯定的に見方を変えるものを指す。
イギリスの劇作家、ウイリアム・シェイクスピアに「良いも悪いも本人の考え方次第」というものがあるが、端的に言うと「良い方に考えよう」とするのがリフレーミングである。

人はそれぞれ、これまでに経験したものや見聞きしたものからそれぞれの認知の枠組みを身につけている。
そして、重要なのはその「認知の枠組み(=フレーム)」によって感情やストレスが生まれ、ひいては行動やその結果にも影響を及ぼしている、ということである。
例えば雨が降っているのを見る時に、自分は傘を持っていなければそれは不快な思いの原因になるかもしれないので、良くないという感情を持つのは自然なことである。
しかし、同じものを見るにしてもずっと雨が降っていなかった農家にしたらそれは恵みの雨になるのである。

メンタルヘルスやレジリエンスといった研修テーマでは比較的有名な手法であり、元をたどると家族療法を代表する心理学者ポール・ワッツラウィックが提唱した手法である。
余談だが、家族療法は個人の抱える問題に対して、個人または単一の起源の問題ではなく家族をシステムとして捉えて問題に対処しようとするアプローチである。
そういった意味ではシステム思考、アサーショントレーニングと家族療法、リフレーミングはアプローチに近いものがあり、同じ思想から発展しているものと位置付けることができる。

リフレーミングは物事のストレスの受け取り方をマイルドにしたり、別の方向から光を当てることで新しい意味付けを通して視野の拡大に繋がったりする可能性を持っている。
また、「共感性の向上」「思考の柔軟性の向上」「情緒の安定」という効果があるとされている。

その一方で
・本当に立ち向かわなければならないような種類の問題に直面しているにもかかわらず、そこからある種逃避する『麻酔』となってしまう
・深い反省や査察の機会を奪う可能性がある
・人間の思考や感情、信念には本人の性格や経験が持つ影響も強いため、おのずと限界は存在する
という反対意見や批判も多い。

リフレーミングは万能ではないが、仕事や人間関係がもたらす軽微なストレスやすれ違いに対しての緩衝材としては十分に機能する。
今後も企業内の研修での活用が期待されるテーマである。

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