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【フェルト・リーダーシップ】

フェルト・リーダーシップ(Felt Leadership)は「感じてもらえるリーダーシップ」と訳される。
元々デュポン社の安全文化を構築する際に必須のリーダーシップとして定義された言葉である。
デュポン社は安全衛生の管理を絶対の価値として並々ならぬ力を入れており、会社の中枢となる重要な価値として掲げている。
その安全衛生を成立させるためには経営層をはじめ、現場で作業する一人ひとりまでが安全に対して強い情熱、意識を持ち相互に刺激しあうフェルト・リーダーシップが存在することが重要であると説明している。

デュポン社は1802年創業で、現在は化学品メーカーと認識されているが、元々は火薬や爆弾を製造していた会社である。
黒色火薬製造の当時の最新技術を商品化するために、フランスで調達した設備を備えた火薬工場を川沿いに建築したのがその始まりである。
その後、1812年に南北戦争がはじまると米軍へ火薬供給する会社として急成長する。
そんな中で事故も起こっていて、1811年に初めて安全に関する調査を行ったのがデュポンの安全管理の原点となっている。

デュポン社が提唱している安全文化発展のモデルとして「ブラッドリーカーブ」と呼ばれるものがある。
ブラッドリーカーブは、なぜ会社や現場によって安全性の差が生じるのかを調査して構築された概念で、下記のような形で説明される。

相互啓発状態を支える大事な考え方がフェルト・リーダーシップである。
また、デュポンの安全10則と呼ばれるものも広く知られている。

① すべてのケガおよび職業由来の病気は防ぐことができる
② マネジメント層はケガや職業病防止に直接責任がある
③ 安全は雇用の条件である
④ 職場の安全を確保するよう十分に訓練することが基本的な要素である
⑤ 安全監査の実施が必要である
⑥ 安全上の欠陥は全て直ちに改善しなければならない
⑦ 実際に発生したケガでなく、ケガの可能性のあるものも全て調査しなければならない
⑧ 勤務時間内だけの安全でなく、勤務時間外の安全も同様に重要である
⑨ 安全への取組は良い仕事である
⑩ 従業員は、安全プログラムの中で最も重要な要素である
※出典、翻訳によって表現や順番が違う場合がございます。ご了承ください。

デュポン社は200年以上の歴史があり、グローバル化する中でも安全を核として事業展開をして確固たる地位を築いてきた。
今後も多くの安全衛生関連の場面でフェルト・リーダーシップをはじめとするキーワードが活用/引用されるものと思われる。

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