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【プランド・ハプスタンス・セオリー】

1999年にスタンフォード大学の教育学・心理学教授であるクランボルツ教授によって提唱された、キャリア形成に関する理論。
「計画的偶発性理論」と訳されるが、意味的には「計画された偶然を見つけるための考え方」というような意味に近く、日本的な解釈では理論や方法論というよりも「マインドセット」「心の置き所」に近い。
クランボルツ教授の調査によると、キャリア的に成功を収めた人の8割が予期しない偶然の出来事に大きな影響を受けてキャリアを形成していることが分かった。
また、アメリカの一般的な社会人を対象に行った調査では、18歳の時になりたいと考えていた職業に実際に就いている人の割合はたったの2%しかいなかったという。
そこで、クランボルツ教授は変化が激しく、先の見通しが立ちにくい時代に良いキャリアを切り開くためには「目の前の仕事を一生懸命やること」「好奇心や探求心を持ち続けること」「偶然の出会いを大事にすること」が重要だと考え、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」といった5つのスキルの重要性を説いた。

この理論が注目されるのは、キャリア論のパラダイムに大きな転換をもたらしたためである。
それまでのキャリア論は「正しい目標をもって正しい努力と正しい行動を続けること」がキャリアを切り開く正しい道、という考え方だった。
そうした考えのもとで、従来のキャリア研修は自分自身の能力を棚卸することと今後のキャリアでの目標設定を重要視していた。
プランドハプスタンス・セオリーは「キャリアは基本、個人の思い通りになるものではなく偶然の積み重ねである」という割り切った主張がこれまでのキャリア論と大きく違っている。

尚、クランボルツ教授自身の人生もプランドハプスタンス・セオリーを体現している。
クランボルツ教授は大学時代にテニスに熱中していて、専攻分野をなかなか決められなかった。
そこで、テニスのコーチに相談したところ、コーチはたまたま心理学を専攻した人で、クランボルツ氏に心理学を勧めたという。
クランボルツ教授はその提言に素直に従い、その結果世界的な心理学者となった。
クランボルツ教授自身のキャリアもまた偶然の産物だったのである。

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