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【チェスター・バーナード(人名)】

チェスター・バーナードはアメリカの経営者。
アメリカのベル電話システム傘下のニュージャージー・ベル電話会社社長を務めた。
代表的著書「経営者の役割」が世界恐慌下の経営者に強烈に受け入れられ、フレデリック・テイラーとも並び称される経営学者として名声を得た。

1886年生まれ。ハーバード大学を中退後にアメリカ電話電信会社に入社。
1927年にはニュージャージー・ベル電話会社の初代社長に就任し、以後20年間同職を務める。
1938年に「経営者の役割」1948年に「組織と管理」を出版。
1961年に死去。

バーナードはその代表的な著書「経営者の役割」の中で、経営者が外部環境にどう対処するべきかについて説いた。
世界恐慌が代表であるように、企業経営には1社ではどうにもならないような大きな外部環境の変化が起こることがある。
こうした状況を考える際にまず組織は個人の集まりではなく「協働システム」であると定義した。
そして、経営者は外部環境の変化を言い訳にするのではなく、「組織共通の目的」としての「経営戦略」を組織に与え、「貢献意欲」と「コミュニケーション」をもってモラール(士気)を高めることが重要であるとした。
こういった功績から、バーナードはビジネスにおけるシステム思考論の始祖の一人であると位置づけることができる。
ちなみに戦略(strategy)という軍事用語を経営の世界に持ち込んだのはバーナードが最初と言われている。
バーナードはファヨール同様、本人が凄腕の経営者だったことも高く評価されている。

バーナードは多くの論文を残しているが、あくまで自分自身も経営者というスタンスを取っていた。
「経営者の役割」の日本語版の序文には「本書はアマチュアのものであって職業的社会科学者の著作ではない」「多くの人々の著作を研究してそれに負うところが大きいが、それにもかかわらず、本書の実体は個人的体験と観察とそれに対する長い間の思索から生まれたものである」といった言葉を残している。
現在では主に社内の生産性を分析対象とする「古典理論(テイラー等)」並びに「新古典理論(メイヨー等)」と、その後に続いた「近代マネジメント論」(=外部環境も大きなテーマとして研究対象にする)との橋渡し的な位置づけの経営学者として位置づけられることが多い。

三谷宏治「経営戦略全史」より引用 筆者が一部加筆

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