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【トータル・リワード】

トータル・リワードは、人事制度の検討をする際に従業員の報酬を考える切り口となる概念で、最近注目されている人材戦略上のキーワードである。
一般的に企業が従業員に支払う報酬(リワード)というと、金銭に関するものが真っ先に挙げられる。
しかし、近年組織で働く人の価値観の多様化や働き方の多様化が進み、また優秀な人材は今も昔も変わらず獲得競争が激しい状況が続いている。
その結果、単純に金銭だけの報酬を捉えるのではなく、より総合的に広い視野をもって自社で働く魅力を高める施策を検討する必要が出てきた。
そういった流れの中で注目されるようになったのが「トータル・リワード」である。

トータル・リワードを考える際の切り口は、大きく「金銭的報酬と役職に関連するもの」と「非金銭的報酬に関するもの」に分けて検討される。
非金銭的報酬に含まれるものとして「ワークライフバランス」「自己の成長や、そのための機会」「他者の承認・感謝」「誇り」「仕事の面白さ」「仕事そのもののやりがい」「福利厚生」「労働環境」「職場の人間関係」「企業の雰囲気、文化、ブランド」といったものが挙げられる。
金銭的報酬を上げるのが難しいのであれば、これらの報酬を高めていくのがトータル・リワードの考え方である。
逆に言えば、そもそも金銭面の報酬を十分に上げることができればそこまでトータル・リワードを検討する必要はないのかもしれない。
しかし、現実的には金銭面の制約は大きく、また非金銭的報酬を高めるための施策にも限界値がある。
そこで重要になるのが「総合的なバランス」という考え方である。
自社の目指す方向性と人材戦略に即した、総合的な報酬制度の構築を広い視野で検討し、構築する必要性が広く認識されるようになってきている。

トータル・リワードという言葉は新しいが、その概念を支えている理論はハーズバーグやデシ、マズローらの研究したモチベーション理論がベースとなっており、根本にあるのは新しい考え方ではない。
しかし、これから本格的に加速していくと思われる人材獲得競争の中で、終身雇用制ベースの旧来の考え方ではなく「より広い視野で自社が人材をどう獲得し、育て、そして定着させていくのか」を考える際に重要な考え方になることが予想されている。

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