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【リフレクション】

リフレクション(reflection)は日本語で「内省」と訳される。
人材育成の文脈では、普段の仕事の場を離れ、自分自身の日常の仕事や行動を振り返り、将来の成長につなげる技法とされている。
研修の中で時間を取って行われたり、1on1ミーティングのテーマとして行われたりすることも多い。

最初に内省に注目したのは、マサチューセッツ工科大学の教授で「学習する組織」の主要な学者の一人であるドナルド・ショーンである。
ドナルド・ショーンは多くの専門職の仕事を観察する中で、高度な専門職に就く人は仕事をしながら内省を繰り返していることを発見し、それが職業の熟達の中で重要な役割を果たしているとして「行為の中の内省(Reflection in Action)」を提唱した。
ショーンは、仕事が終わってから内省するのではなく仕事を進めながら内省を行うことが職業の熟達にとって重要であると説いた。
(余談だが、ドナルド・ショーンは人材開発に『インプロビゼーション=即興劇』を持ち込んだ第一人者でもある。自身の趣味がジャズ演奏だったことが影響していると言われている)

日本の人材育成の文脈では「入社後の振り返り」という形で新入社員フォロー研修で行われることが多いが、内省の特徴ややり方についてはそこまで丁寧な指導を行うことなく、そのやり方は各自に任されることが多い。
結果、新入社員フォロー研修は受講生が「無理やり反省を強いられて雰囲気が暗い」状況になることがあるため注意が必要である。
現実問題として、新入社員フォロー研修は職場の早期適応と離職対策として行うことが多いため、内省をより建設的な内容にするためには「内省」と「反省」を意識して区別し、受講生が前向きな状態に持っていく工夫が重要となる。
そのための注意点としては下記のようなものが挙げられる。

・反省は主観的で懺悔的なニュアンスがあるが、内省は当時の感情は当時の感情としてあくまで客観的に振り返り、そこから成長のタネや改善のポイントを見つけることを重視する。
・反省は過去のミスにフォーカスするが、内省は自分の置かれた状況や当時の内面を客観視し、上達や習熟への糸口を見出す。また、ルーチンと化しているもの、見慣れたものを別の角度から分析する。

プロの棋士は打ち手を振り返る「感想戦」に本番以上の時間をかけると言われている。
内省は今後も人材開発を構成する重要な要素として注目されていくと思われる。

関連する研修⇒新入社員フォロー研修

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