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【アンコンシャス・バイアス】

アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)とは、人が通常持っている「無意識(アンコンシャス)の思い込みや偏見(バイアス)」のことである。
人間はどんな人でも基本的に仕事人や組織人である前に人間として先行情報の「偏り」「偏見」「先入観」を持っているもので、バイアスについては非常に多数の種類が報告されている。
例を挙げると、「男性はこういうものである(ステレオタイプバイアス)」「他の人と同じことをしていれば問題ないはずだ(集団同調性バイアス)」「偉い人が言っていることが間違っているはずがない(権威バイアス、ハロー効果)」といったものが挙げられる。
2010年代になってから注目されるようになった概念で、下記のような負の要素がその背景にあると思われる。

1、ハラスメント
アンコンシャス・バイアスを原因として偏ったスタンスからの決めつけや押し付け発言が起こりうる。
例を挙げるとすると「男なんだから組織に忠誠を尽くして一家の柱として立派に仕事ができなければならない」「女性は~~歳までに結婚しなければならない」といった発言がそれに当てはまる。

2、採用、人事評価や配置
アンコンシャス・バイアスを原因に偏った人事評価や配置が行われる危険性がある。
アメリカ軍では現在、空軍のエースパイロットの女性がいるが、以前は「軍用飛行機の運転には女性は不向きだ」「男性の方が空間認知能力に優れている」といった偏見が蔓延っていてなかなか女性パイロットが登用されにくかった現実があるという。
また、宇宙飛行士にも同様の男女差別があったと言われている。

3、ダイバーシティ&インクルージョン
アンコンシャス・バイアスを原因として女性活用やLGBTQの認知推進といった多様性需要が阻害される危険性が指摘されている。

アンコンシャス・バイアスの取り扱いが非常に難しいのは、多くの人は自分自身の「モノの見方」について無自覚であることがほとんどである、ということが挙げられる。
結果、ハラスメントや偏った人材配置、多様性を受容できない文化風土や言説は「無自覚に作られて無自覚に行われている」ことに非常に大きな問題が潜んでいる。

他方、バイアスが存在することによって人間は情報処理のスピードが早くなるといわれている。
何か出来事や情報に直面した際に「私が信じている常識は本当に正しいのだろうか」「私の判断や発言の前提は間違ってはいないだろうか」と考えていたら、スピード感の観点でも疲労感の観点でもとても一般的な社会生活を送れなくなってしまう。
こうした観点では、バイアスを持っていることそれ自体は悪いことではない。
しかし、偏った考え方や差別的なものの見方によって他者に与えるストレスや社会的な負の影響が社会的に広く認知されている昨今、自分自身の持っている「モノの見方」を野放しにすることはハラスメントを起こしたりする危険性を野放しにすることと同義である。
自分自身が持っているバイアスについて、何らかの形で折に触れてチェックすることが非常に重要と言えるだろう。

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