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【レイクウォビゴン効果(心理学用語)】

レイクウォビゴン効果とは、アメリカの心理学者デビット・マイヤーズが命名した「自分の能力は平均以上である」と考える認知バイアスのこと。
アメリカの作家ギャリソン・ケイラーがラジオドラマで描いた架空の町の名前に由来している。
行動経済学の権威であるリチャード・セイラーが自分の担当している生徒を対象に行った調査によると、「自分の能力は平均以下」と思っている生徒は、5%もいなかった。
ほとんどの生徒は「自分の能力は平均以上」として、さらに言えば上位20%に入っていると考えていたという。

社会のかなり広範にわたり見られる認知バイアスである。
例えば「自分に限って交通事故にあうことはない」「自分はマナーについてはできているから問題ない」といった根拠のない考え方は、背景にレイクウォビゴン効果があるとされている。

近い概念にダニング・クルーガー効果と呼ばれるものがある。
ダニング・クルーガー効果とは、コーネル大学のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが1999年に提唱したもので、「能力の低い人は他人の能力を低く見積もり、自分は優れていると錯覚する」「能力の高い人は他人の能力を高く見積もり、自分にとって簡単なことは他人にとっても簡単だと錯覚する」という認知バイアスが存在するというものである。
例えばアメリカで陰謀論が流行るのは、比較的政治や社会情勢のリテラシーに乏しい人がそれらしいお話を聞いてしまって「自分は世の中の大半の人が知らない事実に気づいた」と信じ込んでしまうことで起こると言われていて、情報リテラシーについてのダニング・クルーガー効果が背景にあると説明されている。

また、新入社員や中途入社社員のリアリティショックにも大なり小なりこうした認知バイアスが潜んでいると言われている。
レイクウォビゴン効果にしてもダニング・クルーガー効果にしても、原因は「メタ認知(=認知に対する認知、さらに言えば自分が能動的に行っている言動について、もう一人の自分が今の自分とは切り離された客観的な立場からその言動を認知する能力)の不十分さ」にあるとされる。
ストレスのない社会生活を送る上でメタ認知は非常に重要な能力であると位置づけられるが、どうすればその能力を高めることができるのかについては具体的なやり方は確立していない。
まずはこういう認知バイアスがあるということを知ることから始まる、といえるだろう。

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