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【シチュエーショナル・リーダーシップ理論(SL理論)】

シチュエーショナル・リーダ-シップ(Situational Leadership)は、「状況対応型リーダーシップ」と訳されることも多いリーダーシップ理論である。
1977年に行動科学者のポール・ハーシーとマサチューセッツ大学教授を務めた組織心理学者のケン・ブランチャードが提唱した。
シチュエーショナル・リーダーシップ(以下、SL理論と呼称)は、発表当初から「マネジメントに対する考え方を変える重要な発表である」と評価されていたが、その後1983年にケン・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンの著書『1分間マネジャー』が日本でも翻訳されると行動科学、組織心理学の研究結果と共に広く浸透するようになった。
SL理論では部下への関わり方について「状況対応的」であることを重要視する。
「状況」を読み、関わり方を検討するための切り口として下記のようなモデルを紹介している。

「モチベーションは状況による/能力は低い」メンバーは、新入社員や若手をイメージすると分かりやすい。
まずは力をつけてもらう必要があるので、進捗管理や指示を細かく行う「教示的/指示的なリーダーシップスタイル」が望ましいとされている。

「モチベーションは高いが能力は低い」メンバーは、例えば他部署からの異動者や転職者が挙げられる。
こうした人には指示を細かく与えることにプラスして、本人からのアイデアや参画意欲を引き出す意味で「コーチ型」のリーダーシップスタイルが推奨されている。

「モチベーションは状況による/能力が高い社員」に対しては、業務内の判断や意思決定はメンバーに任せ、業務を進めるプロセスにおいてはリーダーが支援し、責任や判断を部下と分け合う「援助型」のスタイルで自主性を引き出すやり方が適しているとされている。

「モチベーションも能力も高い」メンバーは、業務遂行においてある程度任せることができる、頼りになるベテランのイメージである。こうした人には仕事はある程度任せることができるので、「委任型」のリーダーシップが適しているとされる。
※メンバーの習熟度評価とリーダーシップスタイルの呼称については諸説あります。ご了承ください。

「人を見て法を説け」のことわざにもある通り、相手によって関わり方を変えるという発想は今では比較的当たり前であるとされる。
しかし、SL理論が登場する以前のリーダーシップの概念では「最善の正しいリーダーシップ」が存在するという考え方が支配的で、その結果、リーダーシップのあり方は画一的なものという認識が広く浸透していたようだ。
発表当時はかなり大きな反響を呼んだものと思われる。
リーダーシップモデルはその後も色々なものが発表されたが、SL理論はその柔軟性と分かりやすさ、納得度の高さから今でも人気のある理論である。

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