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【ソロモン・アッシュ(人名)】

ソロモン・アッシュはポーランド出身、アメリカで活動した社会心理学者で、実験社会心理学の大家である。
携わった主要なテーマとしては、印象形成や同調行動の実験が広く知られている。
ケーラーやヴェルトハイマーといったゲシュタルト心理学の学者との共同実験が多く、本人もゲシュタルト心理学の学派に分類されることが多い。

ソロモン・アッシュの名前を有名にしたのは下記のような内容の「同調行動」に関わる実験である。
実験は下記のような内容だったと言われる。

1、被験者をサクラと一緒に実験に参加させる。
2、まずは基準となる線の書いてあるカードを見せた上で、3本の違う長さの線が書いてあるカードを見せ、「一枚目に見た線と同じ長さの線はABCのどれでしょうか?」と質問する。
3、サクラはみな間違った答え(みんなで同じ回答)をする。
4、すると、正解は明らかにBであるにもかかわらず被験者もサクラに同調してしまう。

また、「印象形成」の実験では下記のような形で「知らない人に対する印象がどのように形成されるか」を調べた。

1、Aさんの印象を伝える。
例えば「Aさんは知的で、勤勉で、衝動的で批判的で皮肉屋で強情です」

2、順番を変えて同じ内容を他の人に伝える。
 例えば「Aさんは批判的で皮肉屋で強情で衝動的で知的で、勤勉です」

3、すると、最初の方に出てきた情報が印象形成に大きな影響を与えていることが分かった。

この実験結果を基に「初頭効果」という形で最初の印象が大きな影響を与えることを突き止めた。
また、こうした実験の中で「温かい人」「冷たい人」といった言葉が印象形成に大きな影響を与えることを突き止めた。
こうした印象形成に大きな影響を与える言葉のことを中心語と呼ぶ。

現在、アッシュの実験結果については(他の多くの心理学実験と同様)再現性や実験と導き出されたものの妥当性等で反対意見や批判も多い。
しかしその一方、「初頭効果」「印象形成」についてはマナー研修等の背景理論として広く活用されている。
ソロモン・アッシュという名前自体はそこまで聞かないかもしれないが、産業心理学や人材育成の世界において非常に影響力がある心理学者の一人である。

関連する研修⇒マナー、CS関連研修全般

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