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【アウトサイド・イン思考】

アウトサイド・イン思考は世界、社会といった大きな外部環境の分析や長期的なトレンドの展望を行ってから徐々に内部環境分析に移行していく思考法のことを指す。
ビジネスではマーケティングや戦略立案の際の分析の段階でよく使われるもので、「外部環境起点思考」と説明できる。
また、政府のインテリジェンス機関でも国際情勢を捉える際の基本となる考え方として認知されているようだ。
ハーバード・ビジネス・スクールのランジェイ・グラティ教授は、激動の市場において企業として変化に適応する能力の高い企業はアウトサイド・インの視点や顧客起点の活動を重要視していると説明している。

ちなみに逆はインサイド・アウト思考と呼び、「企業起点思考」「自己起点思考」と位置付けることができる。
スティーブン.R.コヴィー博士が書いた有名な自己啓発書『7つの習慣』の中では、大まかに説明すると「何かの責任を外部に求めるのではなくまずは自己責任として捉え、自分を変えることで外部を変えていく思考」として紹介されている。
自分自身を奮い立たせる自己啓発の情緒的な世界やチームメンバーのやる気を鼓舞するような場面では、インサイド・アウト思考は役に立つのかもしれない。
しかし、企業の経営分析の世界においては「外部のメガトレンドが企業に大きな影響を与える」ことは多々発生しうるのに対して逆はあまり起こりにくいため、シビアで現実的な分析の場面ではアウトサイド・イン思考を定石として使うことが多い。

アウトサイド・イン思考は「PEST分析」「5フォース分析」「3C分析」「SWOT分析」等の外部環境分析のフレームワークと相性が良く、併せて用いられることが多い。
アウトサイド・イン思考を怠ると「自社都合の活動」になってしまい、生産性の鈍化や社内のモチベーションの鈍化の遠因となりうる。
また、企業活動に対してCSR(社会的責任)が以前よりも強く問われるようになってきている現状、自社の都合しか考えない考え方や行動は強い批判にさらされる危険性を秘めているため注意が必要である。
「企業を取り巻く現状分析」の基本的な考え方として今後もアウトサイド・イン思考の重要性は揺るがないものと思われる。

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