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【アンラーニング】

アンラーニングは「学習棄却」や「学びほぐし」「学び解く」と訳される学習概念である。
企業活動では、例えば「かつての成功パターン」に捉われて新しいパターンが確立できなかったり、時代に適応できなくなったりして衰退する現象が多く見られる。
クレイトン・クリステンセンの項目で紹介したコダックの事例などは典型的かもしれない。

政治学者のバーバラ・レビットと社会学者のジェームズ・マーチは、論文の中でこうした現象を「コンピテンシートラップ(有能さの罠)」と呼んだ。
昨日の成功体験が今日の成長の足かせになり、明日の衰退の原因になってしまうのである。
こういった状況を避け、組織を継続的に進化/発展させていくために「意識的に」「計画的に」成功パターンを捨てたり、仕事のスキルの学びなおしやプロセスのブラッシュアップを行ったりすることをアンラーニングと呼ぶ。

従って、アンラーニングは意識的に行うことであり、自然に忘却してしまうこととは明確に区別されている。
尚、アンラーニングは個人の学習にも組織の学習にも当てはまると言われている。
言葉の意味として「確立したものを廃棄する」というイメージを持ちがちではあるが、「学び途中の人が試行錯誤してスタイルを確立していく」過程にもアンラーニングが行われている、とされる。

このように整理すると「学習棄却」よりも「学びほぐし」「学びなおし」の方が日本語としてはニュアンスに近いように感じられる。
ちなみに、アンラーン、アンラーニングという言葉を日本に最初に持ち込み、「学びほぐし」という訳を付けたのは哲学者の鶴見俊輔である。
ニューヨークの図書館でヘレン・ケラーと偶然話をする機会があって、当時の鶴見が大学生であることを知ったヘレン・ケラーから「大学で学んだことを社会で役立てるにはアンラーニングすることが必要だ」と言われたという。

アンラーニングの概念と意識的な実行が注目されるようになったのは最近のことだが、「イノベーションのジレンマ」や「学習の領域固有性(アンカード・インストラクションの項目を参照のこと)」といった近い領域の研究は古くからされていたため、古くて新しい考え方、またはかなり広範にみられる「企業人あるある」であると言えるだろう。

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