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【アンダーマイニング効果(心理学用語)】

面白がってやっていた行為に報酬を出した結果、その行為が報酬を得るための行為と見なされてしまうと内発的な動機付けが減衰してしまう現象のこと。
エドワード・L・デシとマーク・R・レッパー氏が1971年に行った心理学実験で判明した。
実験は下記のような内容だったと言われている。

≪ステップ1≫
24人の大学生をA、B2つの班に分ける。
どちらのグループにもソマパズルという当時流行っていたパズルを解いてもらう。

≪ステップ2≫
Aのグループにはパズルが解けたら1ドルの報酬を出すと伝え、実際にその通りにする。
Bのグループには何も言わないし何もしない。

≪ステップ3≫
どちらのグループにも普通にパズルを解いてもらう。

尚、各ステップにおいて試験官は2つのパズルが解けたら8分間部屋を離れる。
その間、雑誌もパズルも触っていいという条件にして、もしもパズルに取り組んだらその時間を内発的動機付けの指標とする、という意図を持った実験である。

結果、Bグループは報酬に関係なくパズルに取り組む時間は変化がなかったが、Aグループの方がパズルに取り組む時間が減少した。
この結果を持ってデシは「金銭的な報酬が発生することで『自分はお金のためにパズルをやっていたんだ』という認識が発生してしまい、結果としてパズルに対する内発的な動機付けが減衰したのではないか」と結論付けた。
モチベーションが個人、組織の業績や成果に大きな影響を与えるのは間違いなく、また内発的動機付けが重要であることは間違いない。
しかし、この結果「内発的動機付けはデリケートである」という認識が広がることになった。

デシは動機付けについて、他にも重要な知見をいくつか述べている。
有名なものの一つとして「内発的な動機付けを持てない人をどう動機付けしたらよいか?」という問いに対して「はじめは外発的な動機付けからでも構わない」「外発的な動機付けがだんだん内面化される可能性はある」と答えている。
また、外発的な動機付けの代表である金銭報酬に関しても「これはあなたの優秀さの証だ」という情報が添えられると内発的動機付けの減衰を起こすことは少なくなる、としている。

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