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【コンピテンシー】

コンピテンシーは、職務や役割において優秀な成果を挙げた人材が持っている行動特性のことである。
企業の人材開発や評価基準の作成、採用面接で活用されることが多い。

コンピテンシーは、1970年代前半のアメリカ国務省の職員採用選考をきっかけとして誕生したと言われている。
それまでアメリカ国務省では学歴やIQを基準として選考を行っていたのだが、高いIQや学歴と職員の発揮するパフォーマンスには因果関係がないことが分かった。
そこで、ハーバード大学で動機づけ理論を研究していたデビッド・マクレランド教授に優秀な職員とそうでない職員の調査を依頼したところ、優秀な職員は特有の行動をしており、それに結びつく思考パターンや性格などの動機的な部分にも特徴があることが分かった。
(この部分で調査の経緯と出た結果については組織の心理的安全性の項で触れたプロジェクト・アリストテレスの結果と比較すると非常に興味深い)
この研究がコンピテンシー論の先駆けで、その後1990年代のアメリカ企業を中心に浸透していった。

従来の日本型の人材評価は「協調性」「積極性」「責任感」などの従業員の潜在的かつ抽象的な能力を中心に評価していた。
これに対してコンピテンシーでは、「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」「論理思考」など、より具体的で顕在的な行動現象で評価するため、人事の評価企業への業績貢献がよりリンクして観察されやすくなったのがメリットとして評価されている。
(コンピテンシーでも抽象的な能力を観察対象にしていないわけではないが、具体的な行動を判断基準とする→抽象的なスタンスや能力を持っていると推測する、といった構造であるとされている)
その一方で、「好業績者の観察分析フェーズが大変」「メンテナンスが大変」「作ったとしてもそれが好業績に関係しているかどうかの分析検討が大変」といった声も多く、他の人事考課と同様、皆が納得する形に構築して維持継続するのは非常に大変である。
事実、「高い業績を上げているのにコンピテンシーとの乖離が原因で評価が低い」人が現れてしまい、手段が目的化してしまったり、本来意図していた「人材開発や期待されるべき方向性の提示」や「モチベーションの向上」といったものとは逆の結果が出てしまったりすることも少なくない。

現在は、組織の多様性を高めたほうが組織の生産性や継続性に良い影響が出やすい、という考えや「能力発揮は環境や文脈に依存する」という考え方が強くなってきているので、コンピテンシー論は少しづつ退潮傾向にある。
とはいえ、「濃い文化の組織」を短期間で作るにはコンピテンシー的アプローチは有効であるため、今後も何かの折に再評価される可能性のある概念である。

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