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ソリューション営業は、顧客の抱える問題を解決するための策(ソリューション)を提案する営業スタイルと定義される。
提案営業、コンサルティング営業等類義語も多いが、実は営業に関する言葉は経営学の中でも体系的に整理されていない(しにくい)分野で、それぞれ明確な定義を持って使い分けされているわけではない。
ソリューション営業という言葉が出てきた最初の頃は、かつての単純にものを売る営業(モノ売り営業)との対比で「解決策やその価値を売る営業」という意味で使われることが多かった。
ソリューション営業という言葉が注目されるようになったのは90年代に入ってから、と言われている(諸説あり)。
それ以前は「顧客は自分が欲しいものは自分で理解している」のが自明であるとされ、購買の決定も「人間関係」「タイミング」「価格」「品質」等の限られた要素で成立していたと言われている。
この時期の営業は行動量と情熱が重要なコンピテンシーであると位置づけられていた。
この頃の営業のやり方を揶揄して「御用聞き営業」と表現することもある。
ソリューション営業は下記のような状況の変化に応じて営業モデルの変化が迫られるようになり、注目されるようになったと言われている。
①実は業界ごとに営業のやり方は全然違っていて、特にBtoBの大型商談は専門性が必要であることが知られるようになってきた
②経済のグローバル化に伴い、各企業の競争環境が複雑化していることが知られるようになった
③上記に付随して、商品やサービスのコモディティ化、陳腐化のスピードが増した
結果、ソリューション営業では単純にものを売るだけでなく、信頼関係に基づくアドバイスの価値や、顧客に見えていない「潜在的な課題や機会」の提案といった「情報それ自体」「商談自体」の価値が重要視されるようになる。
また、上記に付随して営業職の専門職化が推し進められることになった。
ソリューション営業を行う上で重要なスキルとして「ヒアリング(インタビュー、質問)スキル」「仮説立案スキル」「分析スキル」「論理的思考スキル」「プレゼンテーションスキル」といったものが挙げられる。
ヒアリングスキルの中でも有名なものがSPIN話法である。(詳細は該当項目を参照)
ソリューション営業は質問を通して「この人はデキる」「信頼できるパートナーとして認めてもいい」というような評価を顧客から得ることが重要となっている。
ソリューション営業はある意味、「何を売るか」の差別化から「誰が売るか/どうやって売るか」の差別化への変化の中で、時代の変化に応える形で現れた営業スタイルと言えるだろう。
ソリューション営業が現れた延長線上で「チャレンジャーセールス」等のモデルも登場してきた。
しかし、チャレンジャーセールス自体もまだ決定的な認知を得ているわけではなく、その意味ではソリューション営業の概念自体がまだ変化の途中、という考え方もできるかもしれない。
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