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【ディーラーヘルプス】

ディーラーヘルプスはメーカーの販促活動で、販売店や代理店に対して各種支援活動を行うことである。
マーケティング用語としての歴史は古く、1920年頃から使われていると言われている。
ちなみにディーラーというとカーディーラーのイメージが強いが、話は車に限らない。
日本語では「販売助成」と訳される。

ディーラーヘルプスの語意の背景には、メーカーと販売店/代理店の間で「相互繁栄」「共存共栄」を基軸となる考えとして持とう、という意図が存在する。
ただ、「もっと売ってください」というお願いや「期初に約束した数字の進捗を教えてください」といった上から目線の活動の進捗管理だけでは、代理店の本気の活動や協力を引き出すことはできない。
積極的な相互繁栄、強力なパートナー関係を構築するためには下記のような5つの機能を果たすことが重要であると言われている。

①戦略・戦術立案機能
販売店、代理店の業績を伸ばすために「どこに」「どうやって」といった戦略・戦術を立てる機能のこと。

②統合機能
販売店、代理店の各メンバーとの関係を構築してやる気を引き出す、積極性を引き出す機能のこと。
立てた戦略や情報を基に本気で取り組んでもらうためにどう関係を作り、どう方針や活動を統合して進めていくかを考え、実行することが求められる。

③支援機能
成果を生み出すために販売店、代理店を支援する機能のこと。
例えば同行訪問、フェアやデモの実施といった活動が挙げられる。

④情報管理機能
販売店、代理店を巻き込んで動かしていくための情報を収集し、整理/管理する機能のこと。
販売店や代理店の活動の方向性が明確になり、顧客接点時に武器になるような情報をどう集めて整理していくかを考えて実行することが重要になる。

⑤エキスパート機能
販売店、代理店から「さすが」と一目置かれる営業力や支援スキル、市場開拓に有用な情報を持ってパートナーとして信頼してもらい影響力や求心力を発揮する機能のこと。

日本でも大手メーカーや情報システムの会社で、取引を大幅に拡大するために販売店/代理店の制度を活用しているところは多いため、その活動実態を整理/確認することは非常に重要である。
しかし、「ディーラーヘルプス」という言葉が会社や業界によってはあまり聞かれなくなってきていて、結果「どういう活動をすればいいか」があいまいになっていたり、顧客との関係性を積極的に管理する意識が薄くなってきたりしている会社や、単純に取引先の販売数と品繰りだけ管理しているような営業も少なくない。
自社のディーラーヘルプス機能の発揮状況にメスを入れる意味でも、立ち返るべき基本として押さえておく必要がある重要なキーワードである。

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