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【ピア・ラーニング】

ピア・ラーニングは「peer:仲間」「learning:学ぶ」の単語のとおり、仲間と協力して学習する方法のこと。
代表的な手法として、文章を読んで感想を共有する「ピア・リーディング」や作文内容を相互に添削する「ピア・レスポンス」といったものが知られている。
特に語学教育の現場で活用と研究が進んでいるが、学校教育や企業研修へのより一層の展開が期待されている分野である。

ピア・ラーニングが活用される背景には、アクティブ・ラーニング等他の学習手法と同様、「意図主義(伝える側が伝えた事実を重視する/またはどう伝えるかを重視する)」から「成果主義(学習する側が学んだ事実を重視する/またはどう学ぶかを重視する)」へと学習理論のパラダイムシフトがあったことが指摘されている。
成果主義の観点に立つと、「教師が正しい結果を伝える」ことよりも「学習者同士が協力してプロセスを通して学ぶ」ことの方が学習成果の定着が強く、納得度が高い。
また、ピア・ラーニングでは狭い意味では対象となる学習成果物の習得が期待されるが、広い意味では社会性のトレーニングや多様な視点の獲得、自分の価値観の点検や視野の拡大といった学習効果が期待できるとされている。

ピア・ラーニングで効果を上げるためには、学習に臨む態度や環境、チームの雰囲気の作り方が重要であるとされている。
人間は良くも悪くも学習環境に影響を受けるため、学習に対して前向きなメンバーに囲まれてピア・ラーニングに取り組めば前向きなメンバーに引っ張られて意欲の面で良い効果が期待できる。
その一方、学習に対してネガティブなメンバーに囲まれるともともと意欲的な学習者であっても意欲が減退してしまうのである。

教育論の中で時々「工業的教育」と「農業的教育」という言葉で教育のスタンスを説明することがある。
工業的教育は人を育てるのに必要な要素とプロセスを明確にしてそれを与えることを重視するやり方で、テイラー主義の影響が大きい。
農業的教育は人を育てるための環境を整えることを重視するやり方で、環境がよければそれで人は勝手に育つと考える。
ピア・ラーニングは、意図的に(時に一方的に)必要な栄養を与える工業的教育アプローチから、環境を整えることにフォーカスする農業的教育アプローチへの変化の中で出てきた手法と位置付けることができる。

コロナ禍でオンライン授業の有効性も分析されているが、人が学ぶのに必要なものは授業だけでないのは言うまでもない。
今後もピア・ラーニングの有効活用について分析と多くの実践が行われることが期待されている。

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