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ピープルマネジメントは、組織が所属するメンバー個々人に向き合い、ワークライフバランスやパフォーマンスの向上をマネジャーがコミットメントすることを通して、一人一人の可能性を引き出すことを目的としたマネジメント手法のことを指す。
タレントマネジメントの考え方を発展的に引き継いだもので、組織に所属するメンバーに寄り添い、フォーカスすることを強調している。
ちなみにもともと「ピープルマネジメント」というのは「人のマネジメント」の意味で、現在のような語意になったのは2018年にコンサルティング会社デロイトが行ったHRイベントでのセミナーがきっかけであると言われている。
「ピープルマネジメント」に取り組むことで、従業員一人一人の高いモチベーションやエンゲージメントを引き出し、パフォーマンスの向上に繋がると言われている。
また、引き出された一人一人のパフォーマンスが企業の未来の業績拡大に繋がるということについて、確信をもって語られていることに大きな特徴がある。
「ピープルマネジメント」が注目されるようになった背景として「VUCA状況」「組織で働くメンバーの価値観の多様化」「雇用の流動化」に対する対応があると言われている。
ピープルマネジメントの具体的な実施手段としては1on1ミーティングが挙げられる。
1on1ミーティングは上司が部下を管理するためでなく、部下自身の成長や仕事のやりやすさのために行う」という点にピープルマネジメントの要素が強く表現されている。
1on1ミーティングは徹底することで考課面談にかかる時間を削減できることが知られている。
「根本の考え方」を変え、その上で「やること」「やり方」を変えることで従来の仕事と成果が変わる、またはこれまで当たり前に行っていた業務を無くしたりすることができる可能性がある、という点で、マネジメント手法のパラダイムシフトが企業の問題解決に繋がる可能性を示した最近の代表的な事例と言えるかもしれない。
ピープルマネジメントの考え方では、マネジャーはメンバーを引っ張る、上から指示や指導をする、という旧来のマネジメントの考え方から大きく考え方を転換して「伴走者」であることを強調する。
「組織の安全性」や「オフ・ボーディング」等の、民主的なリーダーシップや性善説マネジメントに連なる考え方である。
最近、こうした考え方が流行しているが、多くの上司やマネジャーは旧来の「トップダウン型マネジメント」の中で育った人が多い。
こうした考え方を取り入れるには、上司やマネジャーに取り組みの意義について理解/納得してもらう必要があるが、もしかしたらそこが一番の難問なのかもしれない。
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