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【プロテウス効果(心理学用語)】

オンラインゲームなどの仮想空間上のアバター(自分の分身となるキャラクター)の見た目がユーザーの行動特性に影響を与える、とされる心理効果のこと。
変身効果とも呼ばれる。
2007年、スタンフォード大学のニック・イーとジェレミー・ベイルソンが提唱した。

例えば屈強なアバターを設定している人はオンラインゲーム内で普段の生活と比較して強気の行動をとることが多く、強気の交渉をしたり自信を持った行動を選びやすくなる。
また、見た目が魅力的なアバターは対人距離を詰めたり自己開示をすることに積極的になるという。
メカニズム的には自己効力感(Self-efficacy)とメタ認知(Metacognition)やバイアスといった心理効果の相互作用で生まれる、と説明されることが多い。
※メタ認知やバイアスについては ハロー効果ジョハリの窓の項も参照のこと
つまり、アバターがどう見られているのかを認知し、それが行動採用に影響を与える、ということである。
この効果は仮想空間上だけではなくて実生活にも影響があるとされる。

オンラインアバターという自己表現手段が最近生まれたものなので、研究されるようになってまだ日が浅い心理学現象である。
しかし、自己効力感(Self-efficacy)とメタ認知(Metacognition)との相互作用という意味では類似のものは古くから指摘されている。
ビジネスの場合は例えば高いスーツを着て自分に自信を持つのはこの現象に近い。
また、アメリカテキサス大学のダニエル・S・ハマーメッシュ教授は「見た目と年収」の関連性を研究し、相関関係があることを指摘している。
ハマーメッシュ教授の研究では人の見た目を1~5の5段階で評価し、3を平均値として年収を1~2群と4~5群で比較したところ男性は17%、女性は12%高かったという。
ハマーメッシュは「美人は働くことに積極的になるが不細工は引きこもりがちになる」といった形で行動にインセンティブが働く、としている。
この現象は「ビューティ・プレミアム」と呼ばれている。

変身という観点では「管理職になったとたんに態度がでかくなった」という陰口を言われないように「実るほど首を垂れる稲穂」であるように気を付けたほうがいいのかもしれない。
ちなみにプロテウスとはギリシア神話に登場する、姿を変幻自在に変えられる神の名前である。

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